新しいマーケティングの形
企業は常に市場の変化に対応しながら、消費者の購買行動を理解し、効果的なマーケティング戦略を構築することが求められています。そんな中、株式会社東急エージェンシーは、株式会社mitorizとの協力のもと、新たなデジタル広告配信サービスを2024年12月10日から提供することを発表しました。この新サービスは、マーケティングダッシュボード『Point of Buy-α』とAIクラスタリングツール「Target Finder(R)」を組み合わせたものです。
マーケティングダッシュボード『Point of Buy-α』とは?
『Point of Buy-α』は、業務の意思決定を支援するために開発されたマーケティングダッシュボードです。消費者の購買データを基に、リアルタイムで様々な情報を可視化し、ビジネスインテリジェンスを効率的に提供します。このツールは、特に小売業やサービス業において、実際の購買データ(毎月1000万枚以上のレシートデータをもとに)を用いて、自社商品や競合商品の分析を容易に行うことができます。
クラスター情報を活用した広告配信の新機軸
新たな広告配信サービスでは、POB-αから得られる購買クラスター情報を基に、実際の消費者の行動を深く理解することができます。これにより、「誰が」「何を」「どれくらい」購入しているのかを把握し、ターゲットを精密に絞り込むことが可能となります。特に、消費者の行動が似たグループを特定することで、広告の配信効率を大幅に向上させることが期待されています。
また、広告配信においては、株式会社マイクロアドの「UNIVERSE Ads」との連携が行われ、各カテゴリーや商品に対して精緻なセグメントが実現します。これにより、無駄な広告表示を避け、より効果的なマーケティングが可能になります。
分析ツール「Target Finder(R)」の特徴
ターゲティングを強化するために開発された「Target Finder(R)」は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所が開発した「APOSTOOL」(現PLASMA)を基にした購買・行動分析ツールであり、2015年から販売されています。このツールは、顧客の行動に基づく効率的なマーケティング施策を実現するために、データをクラスター化し、購買行動を明らかにします。リテール業者や共通ポイント事業者など、様々な業界の企業によって利用されています。
消費者行動データの活用
mitorizが提供する消費者購買行動データサービスは、日本国内最大級の消費者購買データベースを活用し、メーカーや小売企業に対するマーケティング支援を行っています。このサービスは、レシート情報を活用するため、他のデータソースでは入手できない、ユーザーに基づく詳細な購買行動データを収集し、分析することが可能です。
今後の展望
東急エージェンシーとmitorizによるこの新しいデジタル広告配信サービスは、データを軸にした新たなマーケティングの形を提供します。広告主は、消費者の購買行動を正確に把握し、ターゲットに対するアプローチを精度高く実施できるようになるでしょう。これにより、広告効果の最大化と、消費者とのより良い関係構築が可能となります。今後も両社の動向に注目が集まります。