次世代を育む「いのち会議」で民主的参画を追求する

次世代を育む「いのち会議」の取り組み

2025年に開催予定の大阪・関西万博会場内で発表された「いのち会議」では、こどもたちが自由に意見を表明し、その意見が社会に影響を与えることを目指す取り組みが進められています。この「いのち宣言」と「アクションプラン集」では、こどもの意見が重要視され、年齢や性別に関わらず、公共の場で安心して声を上げられる社会を構築しようとしています。

こども基本法の意義

2023年4月に施行された「こども基本法」では、すべてのこどもが意見を尊重され、最良な条件が考慮されることが求められています。これは、こどもたちが自分の意見を公に述べ、その意見をもとに社会的対話を促進することが期待されています。それにより、次世代の市民としての自覚を育てることが狙いです。

プロジェクトの背景と目的

大阪大学の社会ソリューションイニシアティブ（SSI）は、「自らの生から公共の知を共創する次世代市民の育成に向けた教育の開発」というプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、こどもたちの参加を促し、彼らの意見が実際に社会に反映されることを目指しています。特に、こどもたちが互いに、またおとなと民主的な対話をすることを重視し、従来のカテゴリー分けを見直すことが求められています。

年間の取り組み

2022年度には、夜間中学に通う生徒たちが、2023年度には全国の中学生や高校生が発信したメッセージを通じて、現社会の課題を提起しました。2024年度以降は、探究学習を通じてSDGsの目標を批判的に捉え、参加型の活動を展開する計画です。特に「いのちの声」としてまとめられた意見をもとに、こどもたちとおとなたちが対話する場を設け、より良い社会の形成に貢献することを目指します。

探究と反省の重要性

大学生たちは、アメリカの哲学者ジョン・デューイの「探究」の理念を踏まえて、SDGsの前史を明らかにし、それに伴う「内省の問い」を立てることで、社会の課題を深く理解しようとしています。このプロセスの中で、こどもたちや若者たちの活動に対するコミットメントが養われ、高校生や大学生が社会に良い影響を与える行動を取ることが期待されています。

未来を見据えた教育

今後、いのち会議はこどもたちの意見を大切にし、世代を超えた民主的対話を通じて、持続可能な社会の実現に向けて様々な活動を続けていきます。これにより、次世代の市民が実際に自分たちの声を模索し、社会に貢献できる場を増やしていくでしょう。期待されるのは、子供たちが自らの意見を活かし、大人たちとも共に未来を築いていく力です。