アスエネ株式会社が、2025年5月にアメリカの環境技術企業NZero, Inc.をグループに迎え、同社の提供するAIエネルギーマネジメントクラウド「NZero」を日本とタイにて新たに展開することを発表しました。このサービスは、電力やガスといったエネルギーデータの自動連携と可視化を実現し、AIを駆使して分析とシミュレーションを行うことで、企業や自治体の電力コストやCO2排出量の同時削減を目指しています。
「NZero」の特筆すべき点は、特に電力消費が多い産業、例えばデータセンターや製造業においての利便性です。これらの業界では、コスト削減と脱炭素化の両立が求められており、この新システムがどのように役立つかが期待されています。
日本におけるエネルギーマネジメントの重要性
日本では、AI技術やデジタル変革(DX)が進展する中、電力需要も増加傾向にあります。具体的には、2024年の電力需要量は約1.5億kWhにのぼり、2034年には約1.6億kWhに達する見込みです。この背景には、製造業やデータセンターといった電力集約型産業の成長、再生可能エネルギーの普及、そして電動車や産業の電化の影響が大きいと言えます。
しかし、電力コスト環境は厳しさが増しており、円安やウクライナ情勢などが影響で、昨今の天然ガスや石炭価格が高騰し、産業向け電力料金はこの2年間で1.5倍以上にも上昇しています。こうした状況から、多くの企業が生産コストの増大や利益率の低下に直面し、エネルギーマネジメントを通じてコスト削減と効率化を図る必要に迫られています。
NZeroの特徴
1. 自動化されたエネルギーデータの可視化
「NZero」は、AIによって1時間単位のエネルギーデータを自動で収集・可視化します。各拠点のエネルギー使用状況をリアルタイムで把握できるため、効率的な運用方法や契約電力容量の見直しが可能です。
2. AIによる運用改善
このクラウドサービスは、収集したデータをもとに、AIが分析を行い、企業の運用改善や設備の最適化を提案します。数千もの削減ロジックを駆使し、コスト削減とCO2排出量削減を同時に実現します。
3. 複数拠点の管理が容易
「NZero」はクラウド型エネルギーマネジメントシステムであり、追加のIoT機器なしでの運用が可能です。必要に応じてIoT連携も可能で、CO2排出量の見える化や報告もサポートします。
今後の展望
今後、「NZero」は、企業が持続可能な成長と競争力強化を両立させるためのモデルケースを創出し、特に日本とタイでの脱炭素活動を支援します。アスエネは、引き続き国内外の企業に向けてエネルギー効率化とサステナビリティ経営の支援を強化していく方針です。
アスエネの会社について
アスエネ株式会社は、数々の先進的なエネルギーマネジメントソリューションを提供しており、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「ASUENE」、サプライチェーンマネジメントクラウドサービス、GX・ESGに特化した転職プラットフォームなど、多岐にわたるサービスを展開しています。資本金は83億円で、代表取締役CEOは西和田浩平氏です。アスエネは、日本国内のみならず、シンガポール、米国、タイ、英国、フィリピンにも拠点を構えています。詳細情報は会社の公式ウェブサイトでご覧いただけます。