柏倉氏は「人を挑戦に導き、自然の可能性を広げる」という目的を掲げて活動しており、彼の作品を通して、自然環境や人間、動物が直面している現実を鮮やかに映し出します。特に、彼の代表作「Back to the Wild 森を失ったオランウータン」や初公開の「The Lost Aral Sea 20世紀最大の環境破壊」は、見る者に強烈なメッセージを届けます。
「Back to the Wild」では、パームオイル産業の影響で生活圏を失ったオランウータンの孤児が、森で生きる力を取り戻す様子を描いています。このドキュメンタリーは、自然の復活をもっとも顕著に示している作品の一つです。
また、「The Lost Aral Sea」は、かつて巨大な湖だったアラル海の悲劇を描きます。この湖は過剰な綿花栽培によって大幅に面積が縮小し、“海の民”と呼ばれる人々が砂漠で新たな生活を営む様子を記録しています。これらの作品を通じて、自然の変化と再生の可能性を考えさせられます。