AIシステムで船員配乗計画を革新
株式会社商船三井と富士通は、船員の配乗計画を効率化するためのAIシステムを共同開発しました。このシステムは、2025年5月からの業務適用を目指し、最終フェーズに入っています。海運業界では、各船員の職位や資格、乗船及び休暇期間、船の種類やスケジュールなど多くの要素を考慮して配乗計画を立てる必要がありますが、これには通常相当な手間がかかります。商船三井は、従来はデータベースから手動で条件を抽出し、配乗計画を作成していました。これにより作業に数時間を要することもしばしばでした。
独自のAIシステムの特長
新たに導入されるAI配乗計画システムは、複雑な条件を考慮し、効率的な配乗を実現することが見込まれています。このシステムの特長は以下の3つです。
1.
お客様ニーズへの対応
顧客のニーズに合わせた柔軟な配乗を行います。
2.
船員の乗船・休暇平準化
年間の乗船期間や休暇が均等になるよう調整します。
3.
船員個人イベントの反映
結婚や出産などの個人イベントに配慮した配乗計画を立案します。
これにより、船員にとっての連続乗船期間の短縮や十分な休暇の取得が可能になり、ワークライフバランスの改善が促進されることになります。
時間の大幅削減
商船三井はこの新システムの導入により、配乗計画の作成に要する時間が約70%削減できると見込んでいます。これにより、より迅速かつ効果的な運用が実現し、船員にとってもより働きやすい環境が整うことが期待されます。
今後の展望
商船三井は、社員が働き甲斐を感じる環境を整えるために、引き続き人財に関する基本的な考え方に基づくアクションプランを推進します。また、富士通もこの取り組みを支援し、AIやデジタル技術を活用して様々な社会課題の解決に貢献することを目指しています。
この新たなAI配乗計画システムは、未来の海運業界における業務効率化と船員の生活向上を実現する重要なステップとなるでしょう。そして、この取り組みがどのように広がり、発展していくのか非常に楽しみです。