新宿へ移転したカンボジア料理店アンコールワットの魅力
1982年の創業以来、代々木の地で親しまれてきたカンボジア料理店、アンコールワットが新宿マインズタワーに移転し、8月10日に新たにオープンしました。41年の歴史を持つこの名店は、老朽化した旧館から新しい場所へと進化を遂げ、まさに新たなスタートを切ったようです。
新たなスタートを切った理由とは
旧店舗は68席を有していましたが、ビルの老朽化に伴い、移転は不可避でした。新たな移転先を探していたオーナーの呉修治さんは、ビストロひつじやが閉店したことを機に、その場所に目をつけました。お店の魅力はその独自の雰囲気にあったのですが、新しい店舗ではその雰囲気を完全に再現することはせず、スタイリッシュでシックな装飾に変更しました。
「旧店の雰囲気は思い出深いですが、新しい場所ではシンプルさと洗練を追求したいんです」と呉さんは語ります。新しい店舗の内装は、心地よい空間を提供しながらも、故郷であるカンボジアの文化を感じさせるように工夫されています。
呉さんの家族の歴史とカンボジア料理
呉さん一家は、1981年に母国の内戦を逃れて日本に来日しました。そして、平和に感謝するための手段としてアンコールワットをオープン。その後、現地の食文化を日本人に受け入れてもらうため、試行錯誤を重ねながらメニューを改良しました。
特に、日本人の口に合うようにアレンジした工夫は多岐にわたります。たとえば、野菜や調味料の選択肢に日本の食材を取り入れることで、馴染みやすい味に仕上げたとのこと。オリジナルレシピを保ちながら、日本の味にも合わせることで、地元のお客さまを引き寄せました。
お客さまと共に育むレストラン
呉さんは、常にお客さんの声に耳を傾け、メニューには柔軟性を持たせています。「お客さんが何を求めているかを理解することが大切です。私たちのレストランはお客さんのために存在しています。だから、メニューも常に更新しています」と強調します。店の雰囲気や味は、常連客の意見によって形成されていくのだそうです。
また、呉さんのお気に入りは、全ての料理に使用するスープです。「スープの仕込みはその日の流れを決めます。浸透していく時間と共に深い味が生まれます。私自身がその全てを管理します」と呉さんは熱心に語る姿が印象的でした。
今後の展望
新しいアンコールワットは、ひとつの店舗としての温かい関係を大切にしながら成長していくことを望んでいるや準備しています。呉さんは「飲食業界は、ハッピーであるべき場所でありたい。お客さんが幸せな瞬間を持つことで、私自身も幸せになれる」と述べており、その姿勢が確実にお店の魅力を引き出しています。これからも、「生春巻き」や「クイティウ」(米麺)など、カンボジアの名物料理を多くの人に味わってほしいと願っています。
新しい店舗の詳細は以下の通りです。
- - 住所: 東京都渋谷区代々木2-1-1新宿マインズタワー 地下1階
- - 電話番号: 03-3370-3019
- - 営業時間: ランチ 11:00~14:30、ディナー 17:00〜22:00(定休日: 日曜日)
新しくなったアンコールワットでカンボジアの食文化に触れる特別なひとときを体験してみてはいかがでしょうか。