JR東日本とJR西日本による連携
JR東日本(東京)とJR西日本(大阪)が、電気設備のメンテナンスと工事業務のデジタル化・機械化を目指す新たな取り組みを発表しました。少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が予想される中、効率的で安定した鉄道業務の確立が求められています。この取り組みは安全で安心な輸送サービスを実現するための重要なステップです。
背景:少子高齢化が進む中での課題
1995年をピークに、生産年齢人口は2050年には約40%の減少が見込まれており、鉄道事業者や関連業者の従業員も大きく減少することが懸念されています。これにより鉄道事業のサステナブルな運営が困難になる恐れがあります。各社が個別に課題に取り組んでいる現状ですが、業界全体での協力が効率的で効果的であることから、JR東日本とJR西日本は連携を決断しました。
連携内容:具体的なアプローチ
両社は2025年2月に覚書を交わし、包括的な連携協力に取り組むことを決定しました。これにより、開発のスピードアップやコスト削減を実現し、両社それぞれにとってのスケールメリットを享受します。具体的な連携内容は以下の通りです。
1. 電気設備のスマートメンテナンス
- - ドローンの活用:設備管理をより効率的に行うため、ドローンを導入し、現場での省力化を図ります。
- - 状態基準保全 (CBM):センサや生成AIを利用して、設備の状態に基づいてメンテナンスを行う新しい手法を導入します。
2. 工事業務の機械化・DX化
- - 機械・ロボットの活用:施工業務において、人手を減らしながら効率的な作業を実現するため、機械やロボットを導入します。
- - デジタル技術の活用:点群データやデジタルツイン技術を用いて、工事業務の効率化を目指します。
目指す方向性:持続可能な鉄道運営
JR東日本とJR西日本は密接に協力することで、業務の省力化・効率化を進め、さらなる安全で安定した輸送サービスの向上を目指しています。また、作業員の働き方も改革し、持続可能な鉄道事業の実現に向けて取り組んでいく方針です。この連携を通じて、他の鉄道事業者とも協力し、将来にわたる鉄道業界のさらなる発展を目指していきます。