手話通訳の不足が浮き彫りに
先日、日本手話文化協会が実施したアンケート調査の結果から、聴者とろう者を含む多くの人々が手話通訳の現状に不満を持っていることがわかりました。この調査は、2025年6月に施行される「手話施策推進法」についての意識を探るものでした。調査の結果、なんと全体の76.3%が医療機関や行政窓口などで「手話通訳が足りない」と回答しています。
調査の背景
調査は2023年11月に行われ、インターネットを通じて行われたもので、合計177人からの回答を得ました。質問内容には「手話施策推進法が施行されることを知っていましたか?」という問いも含まれており、その結果、知っていた人は48.6%にとどまりました。また、法施行後に自治体や公共施設で手話に関する変化を感じた人はわずか45.8%でした。
この結果は、今後の施策の強化が急務であることを示しており、特に医療や福祉の分野での手話対応の整備が求められています。
手話への理解は進展中
一方で、手話を「言語」として尊重する意識について尋ねた設問では、57%が社会での理解が広がっていると感じています。「少し広がった」と「かなり広がった」を合わせると、手話に対する理解が進んでいることが伺えます。このように、手話についての意識は改善されていますが、実際の通訳の確保は依然として課題です。
自由記述での意見
調査の最後に自由記述形式で「今後、行政や企業に求めたい取り組みは?」と尋ねたところ、多様な意見が寄せられました。例えば、「自治体の講習会を増やしてほしい」「企業に手話通訳者の手当をつけてもらえたら選択肢が広がる」といった声です。
このような意見からも、手話通訳のさらなる推進が急務であることが強調されています。
日本手話文化協会の代表の見解
この調査結果について、日本手話文化協会の代表理事を務める藤乃氏は「予想通りの結果でした。現場の人員体制や育成スキームは一朝一夕では変わらないため、自治体と医療機関、さらには当協会などが協力して、具体的な取り組みを迅速に進めることが必要だと強く感じています」とコメントしています。
手話は単なるコミュニケーションの手段ではなく、命に直結する重要な情報保障の手段です。したがって、制度の整備と通訳者の育成が急務とされているのです。
結論
今回の調査から分かったことは、手話通訳の不足を実感している人が多数いる一方で、手話に対する理解が徐々に進んでいるということです。今後、さらなる取り組みが求められています。手話施策推進法の効果を実感するためには、各種機関が一丸となって努力することが必要不可欠です。