千葉の老舗醤油屋がインド市場開拓に挑む新プロジェクト
日本の食文化を支える重要な存在である「醤油」。その醤油を製造する老舗企業、ちば醤油株式会社がインド市場への進出に向けた新たな取り組みを始めました。このプロジェクトは、日本の伝統的な醤油技術をインドに広め、現地の需要に応えることを目的としています。
取組に至った背景
近年、インドの和食市場は、急速な経済成長と食文化の多様化に伴い拡大を続けています。これまで日本食を利用していたのは富裕層が中心でしたが、今や中流層や若者の間でも、健康や本物志向から日本食の人気が高まりつつあります。特に、本醸造醤油は、インドの消費者にとって魅力的な選択肢となっています。
ちば醤油は2022年に、国際協力機構(JICA)との間で「インド国日本伝統の麹の発酵技術を活用した大豆加工産業育成に関する基礎調査」という契約を結びました。今年の7月には、インド企業との連携が実現し、今回の技術移転が実施される運びとなりました。
新たなビジネスモデル
今回の取り組みでは、ちば醤油が製造する本醸造醤油の製造方法をインド企業に伝授します。この技術移転を通じて、インドでの本醸造醤油製造が実現されれば、日本の発酵食品製造業が新たな市場を開拓することになるでしょう。また、このビジネスはSDGsの目標「貧困をなくそう」や「働きがいも経済成長も」の達成にも寄与することを目指しています。
実施内容
2023年9月24日から29日までの6日間、ちば醤油の工場で、インドの外食企業のオーナーらが来日し、本格的な醤油作りを体験します。日程は以下の通りです:
- - 9月24日(日):来日
- - 9月25日(月):講習会、工場視察
- - 9月26日(火):醤油作り体験
- - 9月27日(水):醤油作り体験、日本食店舗視察
- - 9月28日(木):醤油作り体験、他社工場見学
- - 9月29日(金):帰国
この間、9月25日と26日は取材も受け入れるため、メディアにも注目されることでしょう。
担当者のコメント
ちば醤油の代表取締役社長の飯田恭介氏は、「海外に向けての商機は多いが、現地での製造には資金や人材が必要です。それに対し、技術の輸出という方法ならば、当社でも実現可能です」と、技術移転に期待を寄せています。
彼は、インドの大豆と小麦の生産地で本醸造醤油が製造されることが、新たな食文化の一環として前進することに強い意志を示しました。
会社概要
ちば醤油株式会社は、1854年に創業した千葉県香取市に位置する老舗の醤油メーカーです。詳細な情報は公式サイトでご確認いただけます。
- - 会社名:ちば醤油株式会社
- - 所在地:千葉県香取市木内1208
- - URL:ちば醤油公式サイト
この画期的な取り組みが、インドに新たな醤油文化を根付かせる第一歩となることに期待が寄せられています。