新たな再生可能エネルギーの取り組み
東京ガス株式会社は、100%出資子会社である東京ガスアメリカを通じて、株式会社クラレの100%出資子会社、クラレホールディングスUSAとバーチャルPPA(バーチャル電力購入契約)を締結しました。この契約は、アクティナ発電所からの発電量に関する環境価値を共有するもので、2025年10月から10年間にわたりクラレUSAの生産施設に提供されます。この協力関係は、両社にとって国内外を通じて初めての取り組みであり、再生可能エネルギーの利用を促進する重要なステップとなります。
バーチャルPPAとは、再生可能エネルギー発電事業者から直接電力を供給されることなく、その発電による環境価値を購入する契約形態を指します。これにより、発電所が生み出す環境価値を消費者が取得することが可能となり、再生可能エネルギーの普及に寄与します。
アクティナ発電所の概要
アクティナ発電所は、テキサス州ワートン郡に位置し、ヒューストン市から南西へ約140kmの距離にあります。この発電所は、最大出力が63万kW(送電端出力は50万kW)であり、アメリカ国内の再生可能エネルギー供給を支える重要な施設です。契約により、アクティナ発電所での年間300GWh相当の環境価値がクラレUSAに供給され、クラレは米国での電力使用量の約7割、さらにはクラレグループ全体の電力使用量の約4割のGHG排出量を削減できる見込みです。
クラレの環境目標
クラレは、米国内に複数の生産施設を展開し、先進的な樹脂・フィルム、さらには高機能繊維や活性炭による環境ソリューションまで幅広い事業を展開しています。特にGHG(温室効果ガス)排出量の削減においても積極的で、2035年までに2021年比で63%の削減を目指しています。このバーチャルPPA契約により、クラレはその目標を達成するための重要な一歩を踏み出すことができるのです。
東京ガスのビジョン
一方、東京ガスグループも「Compass 2030」という経営ビジョンのもと、CO2ネット・ゼロへの挑戦を掲げています。再生可能エネルギーの運営および供給の促進を通じて、より持続可能な社会の実現を目指しています。また、2023年には創立140周年を迎え、東京を超えた新たな挑戦を進めています。
最後に
東京ガスとクラレUSAの間で締結されたこのバーチャルPPA契約は、企業間の協力を通じて持続可能な未来を築こうとする重要な取り組みです。再生可能エネルギーの活用が進む中、両社が手を携えれば、環境負荷を大幅に削減することが期待されます。今後の活動にも注目が集まります。