QO株式会社、誹謗中傷に対する調査レポート発表
リサーチとプランニングを手がけるQO株式会社は、社会課題への理解を深めるプロジェクト「Social Issue Lab」(SIL)第4弾として、『誹謗中傷』をテーマとする調査レポートを公開しました。この調査は、日本国内外で企業や個人の人間関係が、特にSNSを介して影響を受けやすい現代において、どういった誹謗中傷が日常的に発生しているのかに焦点を当てています。
調査の背景
近年、誹謗中傷は著名人だけでなく、私たちの日常でも頻繁に遭遇する問題になっています。そのため、SNSやインターネットにおいて、この問題がどれだけ深刻化しているのかを知ることは重要です。そこで、156ページにわたる詳しい調査レポートが発表され、誹謗中傷の実態、被害者の体験、第三者の視点、さらにはその解決策についての考察がまとめられています。
調査結果の要点
調査によると、回答者の約37.6%が誹謗中傷を見聞きしたことがあり、さらに約4割が月に1回以上の頻度で誹謗中傷を目にしているという結果が出ました。特に印象的なのは、実際に誹謗中傷をしたことがあると答えた人はわずか2.8%であったのに対し、誹謗中傷の被害を受けたとする人は9.7%に達している点です。
また、誹謗中傷を目にした第三者の多くが、この問題に対して「関わりたくない」と感じているという結果もありました。これに対し、現実の被害者は多くが長い間精神的な痛手を抱えるとしています。このギャップは、誹謗中傷の深刻さを浮き彫りにしており、社会全体での理解の必要性を示唆しています。
被害者の声
調査では、被害者の中で約半数が誹謗中傷を受けた際に「受け流すことができず、ひきずった」と答えています。また、助けを求められる環境が乏しいことも明らかとなり、36.8%の被害者が助けになった経験がないと回答しています。多くが「寄り添ってくれる人」がいたら救われたと感じていますが、実際にはそのようなサポートが不足している現状があります。
ソーシャルレターの意義
QO株式会社は、調査の結果をもとに誹謗中傷の慢性化が引き起こす現代の課題についてのソーシャルレターも公開しています。このレターでは、孤立し傷つく被害者の声と、無視を選びがちな第三者の思い、加害者の正義について問い直しています。私たち一人一人が日常の中でこの問題にどう向き合うべきかを考える上で、重要なメッセージが込められています。
社会的な支援の必要性
調査データからも、誹謗中傷を受けた際に誰かに寄り添ってもらったことが心の支えになったという事例が見受けられました。しかし、このようなサポートを受けることができていない被害者は少なくないため、社会全体で互いを支え合う体制が求められています。SNSやインターネットを利用する私たちが、誹謗中傷をなくすために何ができるのか真剣に考える必要があります。
最後に
QO株式会社は、誹謗中傷に対する理解を助けるための取り組みとして、歌人・木下龍也さんによる「心のお守り」としての短歌を特設サイトで公開しています。この試みを通じて、一人でも多くの人が心の支えを得られることを願っています。調査内容は、今後の社会的課題解決に向けた貴重なデータとなることでしょう。詳細は、公式サイトやソーシャルレターでご確認ください。