CICS、皮膚血管肉腫に対する新たな治療法を申請
株式会社CICSは、加速器を用いたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用の中性子照射装置「CICS-1」に関して、国内での医療機器製造販売承認を申請したことを発表しました。2026年4月30日付けで申請が行われ、特に皮膚血管肉腫をターゲットとした治療法として注目されています。
この申請は、国立がん研究センター中央病院において実施された皮膚血管肉腫を対象とする国内第Ⅱ相臨床試験の結果に基づいています。CICSは、ステラファーマのホウ素薬剤「SPM-011」と本装置を併用し、切除不能なケースに向けて効果を検証してきました。
希少疾病用医療機器としての期待
本装置は、2023年に厚生労働省から「希少疾病用医療機器」に指定されており、これにより優先的な審査を受けることができます。これにより、医療現場への早期導入が期待され、患者にとっての治療選択肢が増えることになります。
CICSの取組みは、これにとどまらず、がん治療に革新をもたらす可能性を秘めています。1994年からメディカル事業に参入し、当初からの蓄積を元に、今後も日本国内外での展開を図る方針を示しています。
ゲノム医療とがんの未来
リゾートトラストグループの医療事業は、数十年にわたる経験に支えられています。その例として、山中湖クリニックではPET(陽電子放出断層撮影)をがん検診に導入し、国内におけるPET技術の普及に寄与しています。そして、その実績をもとに現在はがんの先進的な免疫療法に特化した施設も運営しています。このような地道な努力を通じて、「がんで大切な人を亡くさない社会」を目指す姿勢が伺えます。
BNCTの仕組み
BNCT療法は、新しい放射線治療方法として注目されています。この療法では、患者にホウ素薬剤を投与し、その後中性子線を照射することで、ホウ素が集まったがん細胞を選択的に破壊します。中性子線は非常に微弱で人体への影響が少ないため、身体への負担も軽減される利点があります。
CICS-1の技術的な特徴
CICS-1装置は、国立がん研究センターと共同開発されたもので、加速器を使って中性子を生成します。このプロセスは、高周波四重極(RFQ)直線加速器によって加速された陽子をリチウムターゲットに衝突させることで行われます。これにより、人体に有害な高速中性子を抑え、治療効果を高める工夫が施されています。
また、装置が生成する中性子は800keV以下のエネルギーで、さらなる減速が可能なため、治療そのものの効率を向上させています。CICSの装置は水平照射が従来の装置に対して垂直型であるため、これまで治療が難しかった疾患にも応用が期待されています。
今後への展望
CICSは、アジア全域に目を向け、がん治療の新たな選択肢を提供することを視野に入れています。新しい医療技術の開発は、患者一人ひとりに希望をもたらすことになるでしょう。がん治療の未来に向けて、CICSが拓く新たな可能性に期待が寄せられています。