専門学校が初めて導入した「セルフソーシング」システムの効果と未来

専門学校での新たな試み：マッチボックスの導入

概要

最近、福島県郡山市の工業系専門学校、国際情報工科自動車大学校（以下WiZ）が、短期間の雇用契約を効率的に管理する「マッチボックス」を導入しました。このシステムは、現役の従業員や卒業生、アルバイト、スボトワーカ―などを含む多様な人材プールを構築し、依頼者と働き手を直接マッチングさせることを可能にします。すると、これまでの人材確保に対する課題の解決に繋がるのです。

専門学校における人材課題

現在、日本は教育現場、特に専門学校において教員不足の深刻な問題を抱えています。特に地方の専門学校では、都市部からの学生流出が続き、限られた人手で学生を集める必要があるため、教員の負担が大きくなっています。

例えば、新規の学生募集を担当するスタッフが不足しているため、本来の業務を越えて、教務部の教員が説明会に出ることも余儀なくされ、残業が増加しています。このような状況は特にオープンキャンパスの繁忙期に顕著です。

アルムナイ活用の新しい形

WiZは、2434年度の卒業生をアルムナイとしてシステムに登録することにより、将来的に卒業生に業務を発注する体制を構築します。この取り組みは、特に情報、ゲーム、自動車、電気などのICT分野において専門知識を持った人材の確保に貢献します。以前からの関係構築として、定期的な交流会やオープンキャンパスに卒業生を招待し、彼らとのつながりを保つ努力をしてきました。

ただ、これまでの連絡方法は一部の教員に依存しており、異動や退職があった場合にはそのつながりが途絶えてしまうことも少なくありませんでした。しかし、「マッチボックス」を活用することで、広範囲にわたるデータベースを一元管理することが可能になります。

セルフソーシングの新しいコンセプト

このように組織が自前でスポットワーカーを募集できる環境を整えることを「セルフソーシング」と呼び、専用の商標も取得しています。これにより、WiZは卒業生をデータベースとして登録し、必要に応じて人材の発注や講師依頼を行うことができるようになります。

資産としての卒業生データベース

WiZでは毎年約190名が卒業します。このデータベースを作成することにより、同校は今後、専門分野の人材を確保するための資産を形成します。教員のほとんどが実務経験者であるため、卒業生は非常勤講師やチューターとして母校で活躍する機会が増え、高い専門性で教育の質を向上させることが期待されています。

さらに、卒業生とのつながりが強化されることで、新規入学生を募集する際にも大きな力となります。これによって、コミュニティの一体感も生まれ、卒業生が自らの母校に貢献できる環境が整います。