新たなきょうだい支援
2025-11-05 09:06:26
病気や障がいのあるきょうだい児を支える新しい試み「かかりつけお兄さん・お姉さん」
病気や障がいのあるきょうだい児を支える新しい試み「かかりつけお兄さん・お姉さん」
一般社団法人ariは、病気や障がいを抱える子どもたちのきょうだい児に対する訪問型支援プログラム「かかりつけお兄さん・お姉さん」を展開しています。このプログラムは、仙台市を中心に活動しており、参加するボランティアたちはきょうだい児のサポートに特化した訓練を受けています。
日本全国で約35万人、仙台市にも約5千人のきょうだい児が存在していると言われています。これらの子どもたちは、家庭内で「元気で大丈夫」と感じられがちですが、実際には多くの心理的なストレスを抱えています。代表理事の小川泰佑氏は、医学部生時代の経験からこの問題に気付かされ、2023年に一般社団法人ariを立ち上げ、きょうだい児への支援に取り組むことを決意しました。
小川氏は、家族が病気や障がいを抱える子どものケアに必死になるあまり、きょうだい児に十分な時間を割けていない現実が、支援の必要性を生じさせると説明します。「かかりつけお兄さん・お姉さん」のプログラムは、保護者が手が回らないきょうだい児に対して、無償で個別支援を提供することを目指しています。
プログラムの特長
このプログラムでは、月に1回、約2時間の訪問が行われ、学習支援や遊び、進路相談や外出支援など、個別のニーズに応じた支援が展開されています。特に注目すべき点は、全ての提供が無償であること、そして医業・福祉の代替ではなく、きょうだい児が安心して自らの感情を表現できる場を提供する点です。
現在、約20名のプロのスタッフが研修を受けており、専門的な支援体制を敷いています。「私たちが届けたいメッセージは、きょうだい児自身の存在が大切にされているということです。」と小川氏は語ります。自分の気持ちを受け入れてもらった経験が、子どもたちの成長にとって重要な要素であると強調します。
活動の広がりと挑戦
プログラムは2025年3月からスタートし、現在約12家族の利用があり、成果を上げていますが、すべてのきょうだい児に支援が届くにはさらなる努力が必要視されています。そのため、同法人は2025年9月から家族同士の交流イベントも始まり、保護者から好評を得ているとのことです。参加者からは「子どもたちが自由に体を動かせる環境が嬉しい」との声も聞かれ、イベントは今後も続けられる予定です。
現在、一般社団法人ariはクラウドファンディングを実施しており、仙台市周辺での訪問型支援の持続と拡大に必要な資金を募っています。最初の目標である500,000円を達成し現在は1,000,000円を目指しています。「きょうだい児支援は短期間で終わるものではありません。我々は2026年度までに宮城県全域や東北地方への展開を進めていきたいと考えています。最終的には自治体や医療機関と連携し、政策提言へと繋げていくのが目標です。」と小川氏は今後の展望を語りました。
まとめ
一般社団法人ariの取り組みは、多くのきょうだい児に希望をもたらす重要な活動となっています。「かかりつけお兄さん・お姉さん」は、ただの訪問支援ではなく、子どもたちの心の成長を支える新しい形のサポートです。今後の活動が幅広く広がっていくことを期待します。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人ari|かかりつけお兄さん・お姉さん
- 住所
- 電話番号
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