首都圏における中古マンション売出価格と成約価格の乖離の実態
近年の不動産市場において、首都圏の中古マンションの価格動向は注目されています。特に、売出価格と成約価格の差異が拡大していることが問題視されており、これが購入検討者に及ぼす影響について、株式会社リブセンスが運営する不動産情報サイト『IESHIL(イエシル)』が調査しました。
売出価格と成約価格の動向
公益財団法人東日本不動産流通機構のデータによると、2024年10月から2025年10月にかけて、東京都内の中古マンションの平均売出価格は6,184万円から8,282万円へと約34%の上昇を記録しました。この大幅な上昇に対し、成約価格の前年比は約22%の上昇に留まっており、売出価格の上昇に対して成約価格が追随していない現状が浮き彫りになっています。実際に成約価格は前年比15.6%の上昇と、売出価格ほどの増加は見られません。
価格乖離の要因
この価格の乖離は、主に売主側の「希望的観測」による価格設定と情報の非対称性が影響しています。つまり、売主は市場の高騰を受けて「もっと高く売れるのでは」との期待を持ち、実際の市場価値よりも高い価格を設定する傾向があります。加えて、一般消費者には物件の売出価格しか目に入らず、実際の成約価格に関する情報は不動産業者のみがアクセスすることから、買主側も冷静に市場全体を把握することが難しくなっています。
買主はさらなる制約を受けている
買主にとって、住宅ローン金利の動向や、自身の収入に基づく購入予算が大きな影響を及ぼします。売出価格が急激に上昇すると、価格に対する抵抗感が強まり、「高すぎる」といった感覚から購入意欲が減退します。また、金融機関の融資基準は売出価格ではなく成約事例に基づくため、過剰な自己資金を投入する必要があり、これは成約価格の上昇を抑制する要因となっています。
市場の実情
具体的なデータに目を向けると、首都圏の中古マンション成約件数は2024年の時点で4,222件に達し、前年比で36.5%の増加を見せています。さらに、在庫も3か月連続で減少していることから、実際に物件が市場で成約されている価格は、売出価格とは異なる傾向を示しています。このような市場の実情を知ることが、今後の不動産購入判断において非常に重要となります。
相場を理解する重要性
新築不動産の価格上昇が続いている現状の中、中古マンションの購入を検討する人も多いでしょう。しかし、売出価格のみに惑わされることなく、複数の不動産業者から相場や市場価格の情報を収集することが不可欠です。知識を深め、適正価格を見極めるためには、正確な情報を基にした判断が求められます。
IESHIL(イエシル)について
『IESHIL(イエシル)』は、不動産業界における透明性の向上と効率化を追求するサービスです。消費者が安心して不動産取引を行えるよう、利用者のニーズに応える情報提供を行っています。そのため、不動産購入においては、正しい情報を基にした決定ができる環境を整えています。詳細は公式サイト(
IESHIL)にて確認できます。
会社情報
株式会社リブセンスは、「あたりまえを、発明しよう。」というビジョンのもと、様々なサービスを展開しています。不動産分野における取り組みも積極的であり、一般消費者にとって有益な情報を提供することを目指しています。設立は2006年で、東京都港区に本社を置いています。