瀬戸内の観光振興を支える「日本版DMO」の役割とは
地方創生に向けて注目を集める「日本版DMO(デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション)」は、観光地域の戦略的な運営を担う組織です。このDMOを通じて、地域資源を活用した観光のブランド作りやプロモーション、マーケティングが推進され、特に瀬戸内地域では国内最大規模のDMOの構築が期待されています。
1. 日本版DMOとは何か?
DMOとは、観光地の成長と発展を目指す組織であり、地域が主体となって行う観光地域づくりを支援します。日本では2015年の「まち・ひと・しごと創生基本方針」に基づき、地域内の官民協働と広域の連携が重要視されています。このDMOを導入することで、強力な観光地域が構築され、新たな経済効果が期待できるのです。
2. 瀬戸内ブランド推進連合の構成
「瀬戸内ブランド推進連合」は、兵庫、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛の7県からなる団体で、地域経済の活性化と豊かな社会の実現を目指しています。この連合は観光地の魅力を高め、国内外からの観光客を引きつけ、地域への交流人口増加を図っています。
瀬戸内地域の観光推進体制
若干の役割分担があり、以下の3つの主体が協力して活動を進めています。
1.
せとうち観光推進機構:全体のコンセプトを策定し、プロモーション戦略を展開。
2.
民間事業者:観光サービスや地域特産品の提供をビジネスとして確立。
3.
金融機関:資金支援を通じて民間事業者の成長を後押しする役割を担います。
3. せとうち観光推進機構の具体的な活動
この機構は、マーケティングを基にした経営視点から、柔軟な組織運営や迅速な意思決定を実現し、地域間競争に打ち勝つ体制を構築しています。重要業績評価指標(KPI)に基づき、PDCAサイクルを意識した進捗管理を行っており、責任の所在が明確な組織運営を目指しています。
主要メンバーの紹介
せとうち観光推進機構の会長には佐々木隆之氏が就任しています。彼は西日本旅客鉄道株式会社の取締役会長としての経歴を持ち、観光業界の発展に情熱を注いでいます。また、事業本部長には、観光関連事業者向けのコンサルティング会社を設立した村橋克則氏が選ばれ、安定した運営基盤の創造に取り組んでいます。
4. 瀬戸内ブランドの認知度向上のための戦略
瀬戸内ブランド推進連合は、観光観光地域の魅力を全世界に認知させるために、以下の3つの戦略を掲げています。
戦略1: 瀬戸内ブランドの浸透・定着
- - WEB情報発信や雑誌発行支援、プロモーション動画の制作を通じ多くの人々に瀬戸内の魅力を伝えています。
- - SNSを活用した地域共創メディア「瀬戸内Finder」では、地域資源を発信してブランドの認知度を高めています。
戦略2: 魅力体感環境の整備
- - 食やクルーズなど、地元資源を活かした事業を充実させ、観光客に素晴らしい体験を提供します。
戦略3: 推進体制の構築
- - 瀬戸内ブランドサポーターとの連携を強化し、より多角的なプロモーションを展開しています。
まとめ
このように、日本版DMOとしての取り組みは、地域振興や観光開発において欠かせない要素となっています。瀬戸内地域が魅力あふれる観光地としてさらなる発展を遂げるためには、官民協働による戦略的なプロモーションが不可欠です。観光客を引き付ける新たな取り組みと共に、相互連携を強化することで、地域経済の活性化が期待されています。