2025年2月18日、アイダホ州ボイシにて、Micron Technology, Inc.(ナスダック:MU)が新しい「Micron 4600 PCIe Gen5 NVMe SSD」を発表しました。この次世代クライアント向けSSDは、特にゲーマーやクリエイター、プロフェッショナルを対象とした製品であり、ユーザー体験を劇的に向上させることを目指しています。
Micron® G9 TLC NAND技術を搭載したこのSSDは、前世代の製品に比べて性能が2倍に向上しており、シーケンシャル読み取り速度は14.5GB/s、書き込み速度は12.0GB/sを誇ります。これにより、大規模言語モデル(LLM)のロード時間を1秒未満に短縮し、AIを活用したアプリケーションのパフォーマンス向上に寄与します。特に、AIワークロードにおいては、最大62%のロード時間短縮を実現しており、効果的なデータ処理が可能です。また、最大107%の電力効率の向上を実現しており、ノートPCなどのバッテリー駆動の利便性も向上します。
Micron 4600 SSDはすでに量産を開始しており、Micron G9 NANDテクノロジーを採用したクライアントSSDの中で2番目の製品となります。マイクロンのクライアント・ストレージ部門バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるプラサド・アルリ氏は、「Micron 4600 SSDは、特にデータ指向のアプリケーションにおいて非常に重要な役割を果たします。ローカル実行が可能なAI推論の必要性が高まる中、Gen5 SSDに移行することで新しいパフォーマンス基準と電力効率を提供することができます」と述べています。
Gen5 SSD技術は今後2年間で急速に普及すると予測されており、Micron 4600 SSDは最新のAMD Ryzen™ 9000シリーズプロセッサーおよびインテル® Core™ Ultraシリーズと互換性があるため、各メーカーにとって容易な統合を実現しています。
AMDのジョー・マクリ氏は「マイクロン4600 SSDのパフォーマンスは、特にプロフェッショナルアプリケーションやゲーミングを行う上で、期待通りの結果をもたらすでしょう」と期待を寄せています。また、インテルも共同検証を行ったこのSSDの性能は、優れた電力効率を融合させたものであると強調しています。
さらに、Micron 4600 SSDは、科学、メディア・エンターテインメント、エネルギー産業など様々な分野で、前世代のGen4 SSDよりも迅速かつ高性能なデータ処理を実現します。具体的には、メディア・エンターテインメント向けアプリケーションで最大61%、エネルギー業界向けで最大59%、製品開発においては最大45%の性能向上が図られています。
最後に、Micron 4600 SSDには、TCG Opal、署名されたファームウェア、セキュアブートなどのセキュリティ機能が搭載され、最新のセキュリティープロトコルが実装されているため、ユーザーのデータ保護が一段と強化されています。このSSDは、PCメーカー向けにサンプル提供が行われており、今後のさらなる展開が期待されます。
今後も、マイクロンは革新を続け、データ活用の未来を拓いていくことでしょう。