キヤノンと帝人が共同開発したSuMPO EPDの新たな可能性
キヤノンは、環境への取り組みを強化するため、帝人株式会社と連携し、日本初の実データに基づいた「SuMPO EPD」を活用したCO₂排出量算定を実現しました。当取り組みは、業界のCO₂排出量算定における新しいベンチマークを築くことを目指しています。
SuMPO EPDとは?
SuMPO EPD(環境ラベルプログラム)は、製品のライフサイクル全体にわたる環境情報を定量的に公開する仕組みです。このラベルは、製品製造における環境影響を明確化し、消費者や企業間の透明性を高めることを目的としています。
従来、多くの企業は業界平均の排出係数に頼っていましたが、この方式ではサプライヤーによる排出削減の成果が反映されにくいという問題が指摘されていました。そこで、キヤノンは帝人と共に、SuMPOとの対話を通じて新しい算定ルールの整備に取り組みました。
実データを用いた新たなアプローチ
今回の取り組みでは、帝人が自社の樹脂材料に関するCO₂排出量を実データで算出し、国内で初めてSuMPO EPDに登録しました。これに続いて、キヤノンはそのデータを自社の「imagePRESS V900」などの製品に組み込み、ライフサイクルCO₂排出量算定に活用しました。これにより、サプライヤーの排出削減努力が具体的に反映されることが期待されています。
この新しい方法により、他企業も実データを用いたCO₂排出量の算定が可能となり、業界全体での排出量削減の促進が見込まれています。特に、キヤノンでは、同材料を使用する製品のライフサイクルCO₂排出量が、業界平均に比べて最大約2.8ポイント低下する見込みです。
持続可能な未来への道筋
今後、キヤノンはこの実データ算定の枠組みを、樹脂材料分野に限らず多様な原材料・部品へと広げていく計画です。これにより、より多くのサプライヤーとの連携を進め、ライフサイクルによるCO₂排出量の算定に実データを活用します。目的は、サプライチェーン全体の脱炭素化を進め、持続可能な社会の実現に寄与することです。
環境保護へのキヤノンの貢献
キヤノンは「キヤノングループ環境ビジョン」を基に、2050年までにネットゼロを目指しています。そのため、2030年に向けてスコープ1、2の排出量42%、スコープ3の排出量25%の削減を掲げ、具体的な目標設定を行っています。また、過去15年間でライフサイクルCO₂製品改善指数が年平均3.76%の改善を達成した実績もあります。
サステイナブルな社会実現に向けて、企業が取るべき責任はますます大きくなっています。キヤノンと帝人の取り組みは、その一環として多くの企業に影響を与えることでしょう。これからも、環境に優しい企業活動が促進されることを期待しています。