Datadogが「ストレージマネジメント」を発表
2025年11月10日、ニューヨークにて、クラウドオブザーバビリティおよびセキュリティプラットフォームを手掛けるDatadog, Inc.が新製品「ストレージマネジメント」を発表しました。このツールは、不要なクラウドオブジェクトストレージを排除し、予期しないコストを防ぐことを目的としています。現在、Amazon S3での一般提供が開始されており、Google Cloud StorageおよびAzure Blob Storage向けのプレビューバージョンも用意されています。
効率的なストレージ管理の必要性
近年、データ集約型業務やAI関連のワークロードの増加に伴い、クラウドオブジェクトストレージの利用は急速に拡大しています。これによりコストも増加し、システム運用メンバーにとってはコスト管理が大きな課題となっています。特に、どのワークロードやチームがコストを生んでいるのか特定するのが難しくなっています。また、ライフサイクル管理やティアリングポリシーを適切に適用するための情報不足も指摘されています。その結果、コスト削減のための具体的な施策を見つけることが手作業に頼らざるを得ない状況です。
ストレージマネジメントの機能
Datadogの「ストレージマネジメント」は、これらの問題を解決するために設計されています。数十億のオブジェクトを対象に、バケットやプレフィックスレベルで詳細な可視化が可能。これにより、ストレージの利用状況や異常を素早く検知し、コンテキストに基づいて分析を行います。
さらに、自動化された推奨アクションを提供することで、迅速なコスト削減を実現します。特に、それぞれの機能や特長がDatadogの既存のクラウドコスト管理を補完し、オブジェクトストレージの最適化に特化しています。
主な機能
- - 詳細な可視化(Granular Visibility):ワークロードや部門、環境全体にわたるコスト要因を見つけ出し、アクセス頻度の低いデータや重複データ等を特定します。
- - 統合的なコンテキスト(Unified Context):複数のバケットやプレフィックスを横断し、コストと利用状況、メタデータを相関分析することで、ライフサイクル管理が容易に行えます。
- - プロアクティブな異常検知とアラート(Proactive Anomaly Detection and Alerts):ストレージの異常な増加やコストスパイクを迅速に検出し、即時対応します。
- - 的確な最適化推奨(Targeted Optimization Recommendations):データの再ティアリング、アーカイブ、削除が必要な箇所を具体的に提案し、迅速なコスト削減を実現します。
クラウドコスト管理の進化
Datadogのプロダクト担当バイスプレジデント、イリエクス・ガルニエ氏は次のように述べています。「AI製品を開発する企業では、データの保管や処理が常にコストの上位に位置据えられます。このストレージマネジメントを活用することで、企業はコストを最適化し、予期せぬ支出を防げるのです。コストの無駄を減らすことで、開発者はより良い製品の開発に集中することができるでしょう。」
まとめ
新たに登場するDatadogのストレージマネジメントは、企業のストレージコストを効果的に管理し、効率的な運用を実現するための強力なツールとして位置付けられています。データが急増する現代において、これらの機能は極めて重要です。デジタルトランスフォーメーションの一環として、企業はこの新しいアプローチを活用し、費用対効果を高めていくことでしょう。
詳細についてはDatadogの公式サイトを確認してください。