ノボノルディスクファーマと三菱倉庫がEVトラックによる輸送実証実験でCO2削減を目指す

推進されるEVトラックによる医薬品輸送

ノボノルディスクファーマ株式会社と三菱倉庫株式会社が、医薬品の輸送においてEVトラックの導入を始めることになりました。この実証実験は、2024年8月からスタートし、CO2排出量の削減を目指すものです。両社はそれぞれ東京に本社を構えており、関東地域への医薬品配送において従来はディーゼル車両を使用していましたが、今後は業界初の中型EVトラックを活用することが決定しました。

CO2排出削減への取り組み

今回のプロジェクトでは、東京の物流センターから特約店への医薬品輸送を行う際のトラックの1台を、医薬品の適正流通を保証するGDPガイドラインに則った中型EVトラックに改変します。この取り組みによって、特に関東地域への配送におけるCO2排出量を大幅に削減することが見込まれています。

もちろんEVトラックの導入にはいくつかの課題が存在します。最大の課題は充電インフラの整備状況であり、充電スタンドの数が限られているため、効率的な配送ルートを設定する必要があります。また、EVトラックは一度に輸送できる荷物の量が少なく、走行可能距離も短いため、これを解決するために綿密な配送計画が求められます。しかし、配送ルートの最適化やスケジュールの調整を通じて、これらの課題に対応していく方針です。

再生可能エネルギーへの切り替え

ノボノルディスクファーマは、自社のオフィスや工場において100%再生可能エネルギーへの切り替えを完了させました。一方、三菱倉庫も2023年4月より、ノボノルディスクファーマの配送センターにおける電力使用を100%再生可能エネルギー化しました。これにより、年間約174トンのCO2削減が期待されています。これらの取り組みは全体のエコシステムにおいて持続可能な物流を実現するための第一歩となります。

企業としての責任

ノボノルディスクファーマの社長、キャスパーブッカマイルヴァン氏は、「私たちは『Circular for Zero』という環境戦略のもとで、2045年までにすべてのCO2排出を実質ゼロにすることを目指しています。この目標達成にはパートナーとの協力が不可欠です」と語っています。

三菱倉庫の常務執行役員、加藤栄一氏も、「医薬品輸送におけるEVトラックの導入は画期的な取り組みです。今後もこのような環境負荷低減の施策を進めていきます」とコメントしています。

持続可能な未来に向けて

医薬品配送の分野でのEVトラックの導入は、他業界への波及効果も期待できる重要な一歩となるでしょう。両社はこのプロジェクトが成功することで、業界全体における脱炭素化の流れをつくりあげることができると信じています。今後は、この取り組みのスケールアップを図り、さらなるCO2排出削減を目指していく意向を示しています。私たちもその進捗を見守り、持続可能な未来へ向けた変化を期待したいと思います。