メダップと済生会熊本病院が共同開発した新サービス『foro 外来適正化』
メダップ株式会社(東京・千代田区)は、済生会熊本病院との協力のもと、外来の生産性向上を支援する新たなサービス『foro 外来適正化』を正式に提供開始しました。この新機能は、医療現場における逆紹介業務を改善するツールです。
共同開発の背景と目的
済生会熊本病院は、過去10年にわたり、外来の逆紹介プロジェクトに取り組み、一定の成果を収めてきました。しかし、手作業による運用が課題とされていました。そこで、メダップは過去のデータや経験を活かし、より効果的な逆紹介プロセスを実現するための新サービスを開発することにしたのです。
新システムは、医療機関が逆紹介を行うべき患者をデータに基づいて特定し、効率化を図ることを目的としています。従来の人力に依存せず、自動的に逆紹介候補患者を選び出す機能を持っています。
『foro 外来適正化』の概要
このサービスでは、複数のデータソース(外来実績、診療報酬データ、手術予約データなど)を統合し、医療データの分析を通じて逆紹介候補患者の自動抽出を行います。条件設定を用いて希望する患者の抽出が可能となり、外来予約データを基にして患者の来院予定を予測します。
具体的には、外来運営に携わる医師や事務スタッフは、指定の条件に従って候補患者をピックアップし、業務をスムーズに進めることができます。これにより、医師やスタッフの負担軽減と、患者への迅速かつ適切な対応を実現します。
条件設定機能の特徴
『foro 外来適正化』は、柔軟な条件設定機能を持ち、各医療機関のニーズによって逆紹介候補を抽出することが可能です。例えば、受診頻度や疾患内容に応じて条件を設定し、患者を特定することができます。この機能により、診療科の医師が考案した基準に即した形での患者管理が行いやすくなります。
具体的な運用例
サンプル条件モデルとして、術後の特定診療行為に基づく紹介モデルが考えられます。特定薬剤が処方されていない患者を対象にし、その後の医療連携をスムーズに実施するためにこのシステムを利用します。
新たな通知システムの導入
『foro 外来適正化』により、逆紹介プロセスが自動化され、医療スタッフの負担が軽減されるほか、効率的な外来運営が可能になります。具体的には、外来受付前や診察開始時に自動的に候補患者が選定され、医師や連携室に通知されるシステムが導入されます。また、定期的な集計レポートにより、逆紹介業務の進捗状況を把握することができます。
済生会熊本病院のコメント
済生会熊本病院では、外来適正化に向けた『シン外来プロジェクト』が進行中です。外来逆紹介は重要なテーマであり、本プロジェクトを通じて医療チームが効果的に連携を図れる仕組みができたことを評価しています。従来の手作業からの脱却が地方医療に与える影響を大きく期待しています。
結論
『foro 外来適正化』は、外来業務の効率を飛躍的に向上させるツールとして、病院と患者、医師の理想的な関係を構築するための重要な一歩となるでしょう。メダップと済生会熊本病院の取り組みは、地域医療の発展に大きく寄与することが期待されています。