サステナブルな行動を実践する生活者の最新意識調査
株式会社UPDATERが運営するプラットフォーム「I’m UPDATER」および「みんなSX for Biz」において、2025年の「サステナを実践する生活者の最新意識調査」が行われ、その結果が発表されました。この調査は、サステナブルな選択を積極的に行う実践者層に焦点を当て、彼らの意識やニーズを探ることを目的としています。
サステナ実践層の疲れと飽き
調査によると、日常的にサステナブルな行動を実践している人々の51%が、サステナブル情報に疲れや飽きを感じていると回答しました。特に「ときどき感じる」という回答が43%を占め、「よくある」という回答も8%を記録しました。このことは、強い拒否感よりも、広く浅い疲れが生じていることを示しています。
さらに、2023年実施の別調査では、企業のSDGs情報発信に疲れを感じる人が62%に達していることからも、サステナブル実践者層においても情報疲れが拡大していることが見て取れます。
この背景には、サステナ分野において似たような情報やメッセージが多く、生活者にとって「量の多さ」や「繰り返される表現」が負担になっていることが考えられます。特に、情報に対する関心が高い実践層は、質の伴わない情報には疲れを感じやすいことが示唆されています。
企業は、SX(サステナブル・トランスフォーメーション)な情報発信を行う際に、「量」よりも「質」の向上を目指し、生活者の理解や行動に寄与する情報設計が求められています。
信頼できる情報源の重要性
調査結果によると、サステナ分野で最も信頼されている情報源はニュースメディアで27%を占め、次いで専門家が23%という結果が出ました。このことは、生活者が“根拠のある説明”や“第三者性を担保した情報”を重視していることを明示しています。逆に、SNSやインフルエンサーから得られる情報は、相対的に信頼度が低く、参考程度として位置づけられている傾向があります。
特に、調査対象の年齢層が高いことが影響していると見られる中、実践層は情報に接する機会が多く、客観性や透明性を重視する傾向が顕著です。企業は広告的な視点だけでなく、第三者の信頼を得る広報戦略が必須となります。
身近さと成果の可視化が行動を後押し
また、生活者がサステナブルな行動を自分ごと化する際に影響を与える要素として、「身近さ」が34%と最も大きな比率を占めました。社会課題の情報を日常生活と結びつけることで、行動につながりやすい傾向があります。さらに、「成果が見える」ことが25%、「共感できる人の発信」が24%となり、具体的な効果や実践者の声が取り組みのイメージを作り出し、行動を後押ししています。
企業がSXな情報発信を行う際には、理念や抽象的メッセージにとどまらず、生活者が理解しやすい「具体的な価値」の提示が求められます。これは、日常に自然に溶け込むサステナブルな行動を促進するためにも重要です。
UPDATERの取り組み
株式会社UPDATERの代表、大石英司氏は、今回の調査結果から、意欲的な実践者であっても情報の量や同質な発信に疲れを感じていることが明らかになったと述べています。生活者は環境への配慮のみならず、その背景の透明性や成果の見える価値を重視しており、各企業においてもより丁寧で誠実なコミュニケーションが求められています。UPDATERは、生活者のリアルな声に基づいた信頼できる情報づくりを企業と共に進め、より良い選択と行動を後押しする取り組みを広げていく考えです。
調査の詳細
本調査は、I’m UPDATER会員とみんなSX for Biz会員を対象に、WEBアンケート形式で実施され、計391名の有効回答を得ました。調査期間は2025年11月19日から2025年12月3日までで、信頼水準は95%、許容誤差は±5%です。今回の結果は、サステナブルな行動を日常的に実践する層をターゲットとしており、その詳細はUPDATERの公式サイトで公開されています。