リモートワークにおけるビデオ会議の新常識と日本の実態
近年、リモートワークが普及し、ビデオ会議はビジネスシーンの必需品となりました。オフィスでの対面会議が減少し、オンライン環境でのコミュニケーションが主流となる中、国によってビデオ会議に対する意識やエチケットが大きく異なることが明らかになりました。特に、オンライン語学学習プラットフォーム「プレプリー」が実施した国際調査により、日本におけるビデオ会議の実態が浮き彫りになっています。
日本のビデオ会議参加者はパジャマ姿が多い?
調査によると、日本のビジネスパーソンの3割以上が「パジャマや上半身のみ身だしなみを整えてビデオ会議に参加したことがある」と回答しています。この数値は調査対象国の中で最も低く、香港(63.2%)やトルコ(52.8%)の方が多くの人がリラックスした服装で会議に参加していることが伺えます。このことから、日本の労働文化の中で礼儀や身だしなみが依然として重要視されている一方、リモートワークの普及により「快適さ」を求める声も高まっていると考えられます。
実際、日本ではビデオ会議中も「きちんとした服装」を心掛ける人が57.6%に達し、対面でも通用する礼儀正しさが期待される文化が色濃く反映されています。しかし、「カジュアル」な格好で参加したいと考える人もおり、その割合は調査対象国の中で最も高い(10.2%)と言われています。これにより、働き方に対する柔軟な考え方がむくむくと現れていることがわかります。
ビデオ会議でのトラブルは世界共通
ビデオ会議中のトラブルも国によって様々ですが、世界共通の問題が「ミュートの状態で話し続ける」というもので、54.1%の回答者が経験済みと答えています。このような「ビデオ会議あるある」は日本だけでなく、アメリカやイギリスを始め、さまざまな国で生じていることがわかり、オンラインコミュニケーションの難しさを示しています。
さらに、日本では「子どもやペットが会議中に映り込む」というハプニングが少ないことがわかりました。これは、6.3%という数字が示すように、他国に比べて特に低い数値です。トルコやブラジルでは、子どもやペットの乱入が多く見られていますが、日本では比較的、家庭環境が整っているためか、そうした現象があまり発生していないのかもしれません。
各国の反応はどう違う?
ビデオ通話中に子どもやペットが映り込んだ際の反応は、国によって異なります。日本では、こうした状況に遭遇した場合「笑って流す」人が多く、フレンドリーな雰囲気を大切にしています。逆に香港やタイなどでは「無視して会議に集中する」傾向が強く、状況に応じた対応の仕方が明確に異なります。
また、リモートワークにおいて「ビデオ会議」の効果への評価も国によって異なります。例えば、ブラジルでは75.3%の人が「対面会議と同じくらい効果的」と感じているのに対し、日本では52.4%であり、ビジネス文化の違いが顕著に出ています。
ビデオ会議疲れの実態
リモートワークの普及によって、ビデオ会議が増えた結果、どの国でも「ビデオ会議疲れ」を感じている人が多くいます。特に日本では約3割(25.9%)が「ビデオ会議が多すぎる」と感じているとのことです。これは低水準ですが、確実に働き方に影響を与えているのは間違いありません。
ビデオ会議の増加が生産性に貢献するのか、あるいは逆効果かは今後の使い方次第です。各国の文化や働き方の違いを理解することによって、国際的なビジネスコミュニケーションをさらに円滑にするためのヒントを得られるかもしれません。
まとめ
この調査から見えるビデオ会議に対する考え方やエチケットの違いは非常に興味深く、日本では依然としてフォームを重視しつつもリモートワークの魅力にも心が向いていることが分かります。今後のグローバルビジネスにおいて、異なる文化を理解し合い、より効果的なコミュニケーションを築いていくことが重要です。
プレプリーでは、様々な国のネイティブスピーカーによる言語教育を提供しています。言語だけでなく、その文化的背景や価値観にも触れることで、新たなビジネス機会や人間関係を築く足がかりにしていただければと思います。
調査概要
調査期間:2024年11月20日〜12月13日
サンプル数:29,538人
調査対象者:世界21ヵ国の男女
調査方法:インターネット調査