PATENTIXが新たな半導体技術を実現
令和の技術革新が進む中、PATENTIX株式会社が驚くべき成果を上げました。スイスの研究拠点としても知られる同社が、ルチル型二酸化ゲルマニウム(r-GeO₂)を用いたショットキーバリアダイオード(SBD)の動作確認に成功したのです。これは、全世界で初めての試みで、電力変換に関する新たな可能性を開くものとなります。
技術的背景と必要性
日常の家電や電気自動車などに利用されているパワー半導体は、電力変換の際に発生する熱損失を抑え、効率を向上させることが求められています。特に、シリコン(Si)が抱える物理的限界を克服するために、バンドギャップが広い素材への移行が進んでおり、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)が注目されています。これらの材料は、Siと比較して約40%の省エネルギー効果を実現することが報告されています。
しかし、さらに広いバンドギャップを持つr-GeO₂は、SiCを超える省エネ効果をもたらすと期待されています。また、r-GeO₂は不純物ドーピングによるP型半導体の発現が可能であり、酸化ガリウム(Ga₂O₃)を凌ぐデバイス応用の展開が期待されています。
成功の過程と具体的な成果
PATENTIXの成功は、特許出願中の技術に基づいたものです。N+層のr-GeO₂上にドナー不純物濃度1×10¹⁷[cm⁻³]のN-層を成膜することに成功し、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究により、世界初のショットキーバリアダイオードの動作に成功しました。具体的には、絶縁性のTiO₂基板にN+層を形成し、その上にN-層を重ねて電極を作り、疑似縦型構造のSBDを完成させたのです。この構造により、驚異的なON/OFF比7桁の整流特性を確認しました。
将来への展望
今後、PATENTIXはこの技術をさらに進展させ、縦型構造のSBDの実現を目指します。高品質な結晶膜の開発に取り組みつつ、半導体デバイスの応用範囲を広げるP型の実現にも力を入れる方針です。
この研究成果は、エコな未来を築くための一助となる可能性があり、その影響は幅広い業界に及ぶことでしょう。今後の展開に目が離せません。
企業概要
株式会社クオルテック
所在地:大阪府堺市
代表取締役社長:山口友宏
事業内容:電子部品の信頼性試験、工場経営のコンサルタント、微細加工技術など
公式サイト
Patentix株式会社
所在地:滋賀県草津市
代表取締役社長:衣斐豊祐
事業内容:新規機能性材料の研究開発や社会実装事業など
公式サイト