FPTソフトウェアとキッツの戦略的提携
2023年、ベトナムのIT大手であるFPTソフトウェアと、日本のバルブ製造企業である株式会社キッツが、デジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するための戦略的パートナーシップを締結しました。この提携により、両社は製造・販売の分野におけるナレッジと技術を融合させ、さらなる技術革新に向けて歩みを進めることとなります。
提携の目的
キッツはこれまで、DX化を進める努力を続けてきましたが、2025年から2027年にかけての中期経営計画において、さらなる加速を目指しています。しかし、日本国内で求められる高度なITスキルを持つ人材の確保が難しい現状もあり、オフショアのリソースを活用する方向性が模索されていました。FPTソフトウェアは、多数のオフショア開発の実績を持つため、両社は連携を図ることになったのです。
提携の内容
FPTソフトウェアはその豊富なITリソースを生かし、キッツに対して先進的なデジタル技術の専門知識を提供します。その結果、デジタル化やAIの活用が進むだけでなく、マーケティングや営業活動、商品開発、さらにはグローバルなサプライチェーン管理に至るまでの、新たなビジネス環境が構築される見込みです。このような取り組みを通じて、DXを基にした組織の変革も推進されることでしょう。
関係者のコメント
FPTソフトウェア代表取締役社長のファム・ミン・トゥアン氏は、「急速に変化するビジネス環境において、パートナーとの緊密な連携が必要です。キッツとのパートナーシップを通じて、DXの推進を加速し、顧客の競争力を維持することを目指します」と語っています。
一方、株式会社キッツの河野誠取締役は、「デジタル領域の最新技術を提供するFPTと提携することができ、大きな一歩を踏み出しました。私たちもお客様に向けて、適切な製品とサービスを提供し続けていきます」とコメントしています。
両社の背景
株式会社キッツは1951年に設立され、バルブの製造・販売でスタートしました。現在では、その事業が売上の80%を占めています。ライフラインや製造業の発展に貢献するバルブ製品に特化し、成長を続けています。
FPTソフトウェアは、約3万人の社員を抱えるグローバルなITサービスプロバイダーであり、空港や金融など多様な業界のクライアントにサービスを提供してきています。このように、国内外で実績のある両社が手を組むことで、より広範なDX化の波が期待されます。
今後の展望
今後、FPTソフトウェアとキッツが展開するDXの取り組みが、日本国内および国際市場においてどのような影響を及ぼすのか注目です。両社の協力によって、より高度なデジタル技術が実現し、多くの企業がその恩恵を受けることが期待されます。