インターネットの未来を守るための挑戦
最近、インターネット上にあふれる偽情報や誤情報の問題が深刻視されています。特に、生成AIの登場により、その識別がますます難しくなっています。このたび、株式会社Classroom Adventure(以下、CA)が総務省の「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」において実施した実証実験の中間成果を発表しました。今回の実証は、教育の現場を通じて、学生たちがフェイク情報を見極める力を高めることを目指しています。
1. 何故、プレバンキングが必要なのか?
CAが進める「プレバンキング(Prebunking)」とは、情報に接触する前に、認知的な免疫を形成する手法です。生成AIの発展により、誰もが高精度な偽情報を生成できる環境が整ったため、事後的なファクトチェックに頼るだけでは不十分です。このような背景から、学生たちが自らの手で偽情報を生成し、そのメカニズムを学ぶことで、実社会での防衛力を養うことが求められています。
2. 実証実験の内容と結果
実験は実践女子学園中学校の3年生38名を対象に実施され、以下のような手法が用いられました。
2.1 実施概要
授業は2025年11月28日に行われ、実際に生成AIを活用して擬似的な偽情報を作成する体験を通じて、情報の信頼性を確認しました。特に、「なりすまし」や「ものまねサイト」、そして「AI生成画像」といった手法が教育されました。
2.2 信頼スコアの変動
プログラム終了後の結果として、実際の情報に比べいて信頼に足る要素を示す信頼スコアが有意に低下しました。具体的には、なりすまし技術に対する信頼スコアが2.13から1.89に、ものまねサイトでは3.34から2.16、AI生成画像に至っては2.81から1.42と、いずれも識別能力が向上したことが示されました。特に、AI生成画像に対する盲信が低下した点が顕著で、参加者の71.4%が信頼スコアが改善したとのことです。
3. 学生たちの反応
実際の参加者からは、「新しい画像の作成が簡単にできることに驚いた」や「AIが作る正確さや不正確さについての理解が深まった」といった声が寄せられています。また、プログラムの満足度も高く、97%が「楽しかった」と回答しました。これにより、実際のSNSやニュースを活用する際にも、大いに役立つと感じた生徒は100%に達しました。
4. 今後の展開
CAは今後、教育技術の社会実装を進め、多様なメディアに対応した教材の開発を目指しています。また、2024年からは米Googleから引き継いでファクトチェックの世界大会も主催し、より多角的な学びを提供する予定です。これらの取り組みを通じて、偽情報や誤情報に立ち向かう力を次世代に育むことを目的としています。
このように、CAの取り組みはただの教育プログラムにとどまらず、未来の安全なインターネット環境を築くための重要な一歩となっています。学生たちが実際に体験し、学び取った知識が、社会全体に広がることを期待したいものです。