JEPLANが商用展開を発表したRewind® PETリサイクルプロセス
株式会社JEPLANが、フランスのAxensおよびIFP Energies nouvellesと共同で、革新的なRewind® PETケミカルリサイクルプロセスの商用展開に関する承認を得たことを発表しました。このニュースは、特にプラスチック廃棄物削減や循環経済に大きな影響を与えると期待されています。
背景と開発の経緯
JEPLAN、Axens、IFPENの3社は、2020年に戦略的パートナーシップを締結しました。この取り組みは、使用済みポリエチレンテレフタレート(PET)をリサイクルするため、特にメカニカルリサイクルが難しい廃PETを対象にしたケミカルリサイクル技術の開発を進めてきました。特に、福岡県北九州市に位置するJEPLANの響灘プラント(KHP)は、このプロジェクトの中心的な役割を果たしています。
2023年9月には、KHPに凖商用レベルの設備が設置され、約1年間のデモンストレーションが行われました。このプロセスの試運転により、技術の実行可能性とその信頼性が確認され、 finally,商用展開に向けた重要なステップとして承認を得るに至りました。
Rewind® PETケミカルリサイクルプロセスの特徴
Rewind® PETは、PETの解重合をグリコリシス法で行い、その結果得られるビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)モノマーを高度に精製するプロセスです。この技術の大きな特徴は、ペットボトルやその他のPET製品から再生する際、マテリアルが持つ添加剤や着色料を分離し、高純度のBHETを取り出せる点にあります。このため、再重合過程が非常にスムーズに行えるのです。
商用展開による期待される影響
商用展開の開始により、Axensは世界中の顧客に対してRewind® PETケミカルリサイクルプロセスの技術ライセンスを提供できるようになりました。これにより、様々な業界におけるプラスチック廃棄物処理の向上が期待され、特に食品業界や化粧品業界において、再生PET素材が新たな選択肢として受け入れられる可能性が高まっています。
各社のコメント
AxensのCEO、Quentin Debuisschertは、「Rewind® PETプロセスは持続可能なソリューションを求める企業にとって重要な対応策であり、リサイクル材料による製品開発をサポートします」と述べています。
さらに、IFPENの社長、Pierre-Franck Chevetは、「この商用展開が約10年にわたる研究開発の成果であることに誇りを持っています」とコメントし、JEPLANの髙尾社長は「私たちの技術を通じて、PET業界のリサイクル目標を達成し、持続可能な社会の実現に貢献していく」と意気込みを語りました。
これからの展望
今後、JEPLANは川崎市のペットリファインテクノロジーを商用運営するとともに、KHPでの運営を強化し、PETケミカルリサイクル業界においてリーダーシップを発揮することを目指しています。また、リサイクル技術のさらなる進化に向けた研究開発を続け、循環経済の実現に挑戦していく所存です。
この新しい道筋によって、PETリサイクルがさらに効率的かつ持続可能なものへと進化していくことが期待されています。環境問題への対策としても、非常に意義深い取り組みとなるでしょう。