IEEEがプレスセミナーを開催
最近、IEEE(アイ・トルプルイー)が『AIとサイバーセキュリティの最新動向』に関するプレスセミナーを開催しました。このセミナーには情報セキュリティ大学院大学の大塚玲教授が登壇し、注目を集めている人工知能(AI)とサイバーセキュリティに関する最新情報を詳しく解説しました。
サイバーセキュリティの進化
大塚教授は、特に第4世代AIに関連する大規模な言語モデルの進展がもたらすセキュリティの進化について触れました。AIを駆使することで、これまで人間の専門知識に依存していたサイバー攻撃への応対を、より高度に自動化できる可能性があるといいます。例えば、AIを使ったセキュリティ対策が24時間365日で継続的に行えるようになり、少数の専門家に頼ることなく、大規模かつ分散的なセキュリティ対策が可能になると予測されています。
しかし現状では、複雑な大規模システムに関しては、安全性の証明が不足しており、実際には脆弱性に対する応急処置にとどまっていることが課題として指摘されました。攻撃者がAIを利用することが予測される中、大塚教授は迅速にAIを用いた攻防戦の準備を進め、安全性を高める必要性があると強調しました。
高度な攻防技術の必要性
大規模言語モデルのスケーリングを活用することで、より高い性能を引き出すことができ、大塚教授はAIを活用した最新の攻撃対策として「CTF(Capture The Flag)ソルバー」や「マルウェアレポートの自動生成」、「マルウェア・リバースエンジニアリング支援」の実例を紹介しました。これらの技術により、高度なセキュリティ対策が実現可能ですが、大塚教授は、AIが既存の知識をもとに学習しているため、それを超えた知識を獲得するためには深層強化学習の活用が期待されると述べました。
AIが新しい知識を獲得し、場合に応じて人間の判断を仰ぎつつ、自律的に行動することで、攻撃に対する「隙のない防御」が achievable となると期待されています。従来の認識を超えた斬新なアプローチが求められている今こそ、AIを活用したセキュリティ対策の必要性が高まっています。
IEEEの役割
最後に、IEEEについて触れます。IEEEは世界最大の技術専門家の団体で、160カ国以上、40万人以上の会員を抱える非営利組織です。電気工学やコンピュータサイエンスにおいて、年間1800以上の国際会議を開催し、技術標準化や論文発行の活動を通じて、人類の技術的進展に寄与しています。
このような先進的な取り組みを通じて、IEEEはセキュリティ問題に対しても先手を打って対応していく姿勢を見せています。今後ますます進化するAI技術と、それに伴うサイバーセキュリティの新たな挑戦に対して、我々はどのように備えていくべきなのでしょうか。今後の動向に注目です。