信越化学工業で進化する人事システム
テックタッチ株式会社と電通総研が、信越化学工業にAI型次世代デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」を導入した。このシステムは2024年12月から全従業員を対象に稼働を開始する予定で、人的資本経営を重視する信越化学にとって重要な一歩となる。
背景
信越化学工業は、人的資本経営を企業戦略の柱として掲げている。個々の従業員のスキル向上と働きがいの向上を図り、持続可能な企業価値を創造することを目的としている。その中で、人事手続きにおける効率化が急務となっていた。年末調整や扶養家族の変更手続きでは、従業員からの質問やミスの修正が人事部門に大きな負担をかけており、従業員も専門用語の理解や手続きの頻度から心理的な負担を感じていた。
そこで、信越化学は業務のUX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させるために、テックタッチの導入を決定。特に、電通総研が20年以上にわたって支援を行ってきた「POSITIVE」との統合により、直接的な業務改善を目指している。
「テックタッチ」の導入ポイント
1.
ノーコード設定による業務改善の自律化
テックタッチは、従業員が柔軟にノーコード設定を行うことができるため、IT部門への依頼なしに自ら業務プロセスを改善できる。これにより、従業員からの改善提案に迅速に応えることができるため、システムの満足度向上につながる。
2.
「テックタッチテンプレート for POSITIVE」の活用
電通総研が開発した「テックタッチテンプレート for POSITIVE」を使用し、短期間でシステムを導入することが可能になった。特に年末調整業務において、つまずきやすい操作に対するガイドが整備されており、導入後の工程がスムーズに進むことが期待されている。
3.
従業員の負担軽減
導入後のアンケートによると、年末調整業務の実施に際し、75%の従業員が操作時間や業務負担の軽減を実感。一部の申請作業においても68%の従業員が同様の感想を持っており、90%がこの取り組みを高く評価している。この結果から、従業員が安心して手続きを行えるようになったことが容易に観察できる。
今後の展望
テックタッチと電通総研は、今後も「テックタッチテンプレート for POSITIVE」の機能拡充やデータ分析の強化を進め、「POSITIVE」の最適な活用を推進していく。これらの取り組みを通じて、企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進に寄与する考えだ。
まとめ
業務効率化や従業員の働きがい向上、ともに重要な要素である。テックタッチと電通総研の連携による新たな取り組みが、信越化学工業の人事システムにどのような変革をもたらすのか、今後の動向が非常に注目される。