有田焼の革新!幸楽窯の新たな挑戦
有田焼の老舗、幸楽窯がニューヨーク近代美術館(MoMA)にて新商品「兄ウサギ醤油差し」の販売を開始しました。このニュースは、伝統的な日本の陶磁器が世界的な舞台で評価される好例です。幸楽窯は1865年に創業し、以来155年もの間、数々の名作を生み出してきました。
MoMAに選ばれるまでの道のり
今回の実現には、波佐見のSAIKAI TOKI TRADING INC.USAの紹介が大きな要因となりました。MoMAのオンラインショップや実店舗では、現代芸術を代表する作品が並ぶ中、幸楽窯の醤油差しが仲間入りしたのです。
MoMA(Museum of Modern Art)は、近現代美術を専門とした美術館であり、1929年に創立。マンハッタンに位置し、20世紀以降の現代美術の普及に貢献してきたこの場所に、幸楽窯の製品が展示されることは、陶磁器の新たな可能性を引き出す大きな一歩となりました。
醤油差しの魅力とデザイン
この新商品「兄ウサギ醤油差し」は、見た目だけでなく機能性も兼ね備えています。前窯主である徳永隆一が1980年に開発した[カワセミ醤油差し シリーズ]は、実用新案を取得したことで、特に「後引きしない」という性能が注目されています。ウサギシリーズは、5代目の徳永隆信が干支に合わせてデザインしたもので、可愛らしいクチバシが特徴的です。
伝統と革新の融合
幸楽窯の「兄ウサギ醤油差し」の特長は、その設計思想にも表れています。母ウサギ、兄ウサギ、妹ウサギの3種類があるこのシリーズは、家族の温かさを感じさせるデザインとなっており、食卓を彩る存在です。特に切れの良さと形状により、醤油が垂れないところが多くの家庭で重宝されています。
海外進出の背景
幸楽窯は、国内での成功を背景に、海外展開を進めています。2019年にOMOTENASHI SELECTIONで金賞を受賞したことを契機として、JETROの支援を受けながら、国際市場への進出を目指しています。この流れは、佐賀国際空港と成田国際空港での販売、さらに海外バイヤーを通じた展開にも広がっています。
代表者の思い
幸楽窯の代表取締役、徳永隆信は、このような機会を得られたことに感激の意を表しています。彼は「新しいことにチャレンジしながら世代を超えて愛される商品を作り続けます」と語っており、今後も有田の地で伝統産業を守り続ける意気込みを感じさせます。
まとめ
有田焼・幸楽窯がニューヨークMoMA美術館で展開中の「兄ウサギ醤油差し」は、単なる調理器具に止まらず、現代アートとしての価値を持つ逸品です。伝統的な技術が新たな舞台で評価される様子は、まさに日本の工芸品の力を示しています。今後の海外展開も注目されます。