NFTを用いた地域活性化の新たな取り組み
近年、地域活性化の手法として注目を集めるNFT(非代替性トークン)が、新しい形で東京都豊島区大塚エリアの経済と文化を活性化させるかもしれません。Marbull X株式会社と株式会社ironowaの連携により、2024年12月から新たな施策「ironowaフレンズ(仮称)」がスタートします。この取り組みは、「まちの新しいインフラ」づくりを目指しており、両社がそれぞれの専門知識を活かしながら、大塚エリアを盛り上げていくことを目指しています。
施策の背景と目的
ironowaは「大塚のまちの体温をあげていく」をスローガンに掲げ、地域のブランド力を高めるプロジェクト「ironowa ba project」を進めています。このプロジェクトの一環として、大塚駅北口のブランディングや、話題の都市型ホテル「OMO5」及び人気おにぎり店「ぼんご」の誘致が行われてきました。
一方、Marbull XはNFTを活用したマーケティングソリューション「Marbullコネクト」を開発し、地域企業がこの新しい技術を活用しやすくするためのサポートを行っています。このコラボレーションによって、地域に集まる「良い人」と「良いお店」を繋ぎ、「まちの新たなインフラ」を形成することが狙いです。
具体的な施策展開
この「ironowaフレンズ」は、段階的に進行する3つのフェーズから構成されています。
Phase1: まちに熱量の高いコアを作る
最初の段階では、ironowaの手掛ける物件に住む住人を対象に、自分たちの取り組みの理解を促す「クエスト」を実施します。住民がこのクエストをクリアすると、まちの店舗で利用できる特典付きのNFTを手に入れることができます。このプロセスにより、地域の住民と店舗の間に顔を見える関係が構築され、地域の熱気を高めることが期待されます。
Phase2: まち全体への熱量の伝播
次のフェーズでは、ある程度の範囲を広げて、地域に関わる人々全体にサービスを提供することを目指します。その一環として「まちの職場体験」企画を立ち上げ、子供たちに大塚の有名店での職場体験を提供し、NFTを用いた体験証明書を贈る計画も考えられています。
Phase3: まちの新たなインフラへ
最終フェーズでは、これまでの施策を通じて得られた情報やデータを活用し、「良い人が報われる仕組み」をデザインします。たとえば、地域の企業や店舗でお得な特典が受けられたり、優れた条件で物件を借りられたりする制度が導入される予定です。これにより、大塚エリアならではの温かいコミュニティの形成が期待されています。
「Marbullコネクト」について
「Marbullコネクト」は、企業や店舗がNFTキャンペーンやPoC(概念実証)を迅速に開始できるSaaSソリューションです。クエスト機能やユーザーのステータス管理機能、そしてデジタルコンテンツの販売機能を一体で提供します。また、LINEなどの既存のプラットフォームに容易に追加実装することも可能です。
ユーザー向けのロイヤリティプログラムや地域活性化の取り組みが多様な形で展開される中、信頼性の高いサービスを実現するべく、NTT Digitalの提供する「scramberry WALLET SUITE」技術も基盤に採用されています。
ironowaのプロフィール
ironowaは1947年に創業し、「大塚のまちの体温をあげていく」をモットーに地域活性化への取り組みを続けています。所有するビルにはすべて「ba」を冠し、ブランド化を進めています。現在も飲食店やシミュレーションゴルフなどの事業を展開しています。
まとめ
地域活性化は、単なる経済の向上だけでなく、住民の顔が見える関係構築がカギです。Marbull Xとironowaの新たな試みが、大塚エリアに新しい価値をもたらし、今後ますますの発展を遂げることを期待しています。