JALとJTBが始める新たな地方周遊プロジェクト
JTB(株式会社ジェイティービー)と日本航空(JAL)は、地方活性化を目的とした共創プロジェクトを始動しました。2025年に開催される大阪・関西万博を契機に、訪日外国人に対して日本各地の観光を促進する取り組みです。具体的なスタート日は2025年3月25日で、訪日外国人旅行者数は2024年において過去最高の3,687万人を記録しました。これは2019年を500万人以上上回る大規模な観光ブームとなっていますが、宿泊先は東京や京都、大阪など一部地区に集中しているため、オーバーツーリズムの問題を抱えています。
このプロジェクトの目的は、そのような偏った訪問先を改善し、訪日外国人に地方の素晴らしさを味わってもらうことです。JTBとJALは、地方路線を結ぶツアーを提供することで、地域密着型の観光体験を提供します。これにより、地方の文化や観光資源を知り、経済活性化に貢献することが期待されています。
プロジェクトの具体的な内容
旅行商品
プロジェクトの第一弾として、大阪・関西万博に参加する訪日外国人を対象に、JALグループが運航する空路を利用した国内旅行商品の販売が始まります。これにより、訪問先の地域には特に重点を置き、観光資源の認知度向上を図ると共に、観光客の満足度向上にも寄与します。
旅行商品の特徴として、以下の4点が挙げられます:
1. 大阪伊丹空港を発着する地方路線を利用すること。
2. サステナビリティを念頭に置き、地域の脱炭素実現を目指す「CO2ゼロ旅行」を導入。
3. 自然、歴史、伝統に触れることができる深掘り型の旅行体験の提供。
4. 英語ガイドが全工程に同行し、訪問先の理解を深める。
ツアー内容
第一弾のツアー商品には、以下の3つが含まれています:
1.
「奄美大島と鹿児島3日間」:世界自然遺産に指定された奄美大島と桜島を訪問。旅行代金は290,000円(お一人様、2名様1室利用)。
2.
「山陰・山陽・瀬戸内海をめぐる3日間」:出雲や倉敷、世界遺産の宮島としまなみ海道を巡るコース。旅行代金198,000円。
3.
「東北の古き良き日本3日間」:銀山温泉と日本三景松島を訪問。旅行代金240,000円。
企業の役割
- - JALグループ:国内線予約システムの柔軟な運用を通じて地方誘客をスムーズに行う体制を構築。
- - JTB:全国各地の観光素材をスポットライトする形で、旅行商品を開発・販売。
今後も第二弾の商品拡充を計画しており、地域の特色ある観光資源を最大限に活かしたプロジェクトを展開予定です。観光業界の発展とともに、地元経済にも大きな影響を与える努力が続けられるでしょう。
最後に、このプロジェクトはJTBのESG(環境・社会・ガバナンス)戦略の一環として、地域の持続可能な発展にも寄与することを目指しています。訪日外国人が日本の魅力を再発見し、地域とのつながりを深める新たな取り組みにぜひご期待ください。