Cloudflareが新たなクロスクラウドアプリケーション構築機能を発表
2025年4月11日、Cloudflare(クラウドフレア)は、最新の「Workers VPC」と「VPC Private Link」を発表しました。これにより、開発者は安全性とスケーラビリティを兼ね備えたクロスクラウドアプリケーションを、既存のインフラも活用しつつ簡単に構築できるようになります。
仮想プライベートクラウド(VPC)の課題
現在、多くの企業が導入している仮想プライベートクラウド(VPC)は、セキュアで独立したネットワークを提供しますが、開発者にとっては制約や手間が大きなハードルとなっていました。特にデータを異なる地域に移動する際には高額なエグレス料金が発生し、データがVPC内に閉じ込められることが一般的です。そのため、企業は様々なセキュリティ基準をクリアしつつ、データ移動やアプリケーションの展開に苦戦しています。
Cloudflareの提案
Cloudflareの共同創設者でありCEOのマシュー・プリンスは、「開発者がデータの位置やインフラに関係なく自由にアプリケーションを構築できることが重要です。しかし、従来のクラウドプロバイダーの制約により、多くの開発者が難しさを訴えています。私たちはこの問題を解決するために、Cloudflare Workersを新たな次元へ進化させます」と述べています。
Workers VPCとVPC Private Linkの利点
「Workers VPC」は、VPCでの利用制限を超えて、一つの地域に限定されないネットワークとコンピューティングワークロードを提供します。これにより、開発者は必要なパブリッククラウドやデータセンターと手軽に接続し、迅速にアプリケーションを展開できるようになります。また、リソースを異なる環境に安全に配置できる点も魅力です。
一方で、「VPC Private Link」は、Workers VPCをパブリッククラウドやプライベートクラウドと接続するための機能であり、リソースへの安全なアクセスを実現します。これにより、各クラウド間のデータ移動の複雑さが解消され、セキュリティ面でも安心感が得られます。
将来の展望
これらの新機能は、Cloudflareのプライベートネットワーク製品の上に構築されており、2025年後半にサービス提供が開始される予定です。開発者はこのプラットフォームを利用することで、スピーディーかつセキュアにアプリケーションを構築できる力を手に入れることができます。
Cloudflareは、より良いインターネットの構築を目指し、最先端のクラウドネイティブ製品や開発者ツールを提供しています。今後も、ユーザーがより良い体験を得るための革新を続けていくことでしょう。
まとめ
Cloudflareが発表した「Workers VPC」と「VPC Private Link」は、開発者にとっての新たな挑戦の機会として、セキュリティと利便性を両立させたソリューションです。企業のニーズに応え、アプリケーション開発の自由度を向上させることが期待されます。