培養肉の未来
2021-07-14 12:07:23
培養肉開発のダイバースファームがXPRIZEセミファイナル進出!
ダイバースファーム株式会社とその挑戦
大阪に本拠を置くダイバースファーム株式会社は、革新的な培養肉の開発を進めています。その理念は「培養肉で地球と暮らしを守る」であり、再生医療の技術を駆使した食肉の未来を切り拓こうとしています。最近、同社はXPRIZE財団主催のFeed The Next Billionコンペのセミファイナルに選出され、大きな注目を集めています。
取り組みの背景
近年、世界的に人口の増加が著しく、特に食料供給の安定性が懸念されています。食肉供給に関しても、供給難が予想されており、これは発展途上国のみならず、先進国においても重要な課題となっています。伝統的な飲食店、特にミシュラン星を獲得した本格日本料理店「雲鶴」のような店舗にとって、質の高い食材が確保されることは生命線ですが、将来的な供給不安はそのビジネスモデルにも影響を与える可能性があります。
ダイバースファームはこの問題を解決するべく、再生医療技術を基にした本格的な培養肉の開発に取り組んでいます。特に、細胞同士を直接融合させ、大型の細胞ブロックを作る独自の手法に着目しています。この技術は人工臓器の製造を目的に開発されたもので、様々な動物由来の細胞を利用して食肉のバリエーションも豊かです。
新技術による可能性
同社が目指しているのは、料理人の要求に応じた肉質や脂肪量、アミノ酸の組成比率をコントロールできる培養肉の製造です。完全無菌環境での培養が可能なため、長期間の保存も実現し、食中毒や疫病によるリスクも軽減されます。また、遺伝子操作や幹細胞技術は使用せず、食品として認められた材料のみを基にした安全な製品を目指しています。
このため、必要な細胞は畜産業から継続的に提供されることが望まれ、ダイバースファームは畜産業にプラスアルファの価値を提供し、共存共栄を目指しています。
認可を目指して
現在、日本国内では培養肉の商業化がまだ認可されていない段階にあり、ダイバースファームは関係機関と共にルール作りや認可取得に向けた取り組みを進めています。新しい食文化として培養肉が、どのように受け入れられるか、今後の展開に大いに期待が寄せられています。
XPRIZEの意義
XPRIZEは、世界中の参加者が革新的な技術を持ち寄り、地球規模の課題解決を目指すコンペであり、ダイバースファームはその一翼を担っているのです。Feed The Next Billionコンペでは、持続可能で栄養価が高く、環境負荷が少ない肉の開発が求められており、今後の研究開発に注目が集まっています。
この取り組みが成功すれば、培養肉は単なる代替品ではなく、未来の食卓を支える主力食材へと成長していくことでしょう。ダイバースファームの今後の取り組みに期待が膨らみます。
会社情報
- 会社名
-
ダイバースファーム株式会社
- 住所
- 大阪府大阪市北区天満1-18-17
- 電話番号
-
090-1760-3603