叡啓大学 国際シンポジウム「ブルークレジットの現状と将来」
2024年12月10日、広島に位置する叡啓大学で、公益社団法人化学工学会 環境部会水環境分科会が主催する国際シンポジウムが行われました。テーマは「ブルークレジットの現状と将来」で、ブルーカーボンを活用した新たなカーボンクレジットについての重要な議論が展開されました。これにより、海洋・沿岸エコシステムにおける環境問題への意識を高める機会となりました。
シンポジウムの内容
本シンポジウムは、叡啓大学の下ヶ橋雅樹教授がオーガナイザーを務め、教授開会の挨拶に続き、さまざまな専門家が登壇しました。特に注目されたのは、叡啓大学の参与であり、ユネスコ政府間海洋学委員会の議長を務める道田豊氏の講演です。道田氏は、「UNESCO IOC's strategy on marine policy including the promotion of blue carbon」と題して、ブルーカーボンの戦略とその重要性について詳しく解説しました。
さらに、フィリピン大学の教授Dr. Lindsay Youngは、国内でのブルーカーボンの復元プロジェクトに関するサーベイ結果を共有し、小杉知佳氏からは日本製鉄の取り組みについての具体例が紹介され、酒井裕司氏はマングローブの植林によるブルーカーボンの役割について講演しました。このように、多様な視点からブルークレジットに関する議論が行われ、参加者は新たな知識を得ることができました。
学生の通訳経験
特に注目すべきは、叡啓大学から参加した5名の学生が逐次通訳を担当したことです。4年生の吉本考希さんは、このシンポジウムを通じて英語から日本語の通訳に初挑戦し、専門性の高い内容に関する事前準備が必要でした。豊富な語学力と過去の通訳経験を生かし、彼はこの挑戦を乗り越えました。その経験から、吉本さんは通訳業務が幅広い専門的な対応を求められることを再認識し、今後の成長に繋がる貴重な体験となったと語っています。
結果と反響
シンポジウムは遠隔および対面で合計68名が参加し、盛況のうちに終了しました。下ヶ橋教授は、参加者や講演者、通訳を担当した学生たちに感謝の意を表し、このイベントを成功に導くための努力が不可欠であったと強調しました。今後、このような国際的なイベントがますます土台を固め、持続可能な海との未来が創造されることが期待されています。
このシンポジウムはブルークレジットの重要性を広める素晴らしい機会となり、参加者全員が新たな知見を得て帰途につきました。海洋環境を守るための持続可能な施策が今後も推進されることを切に願っています。