肥満治療特許取得
2017-11-13 16:44:31
BioRestorative社が肥満治療に向けた特許を取得、幹細胞技術への期待高まる
BioRestorative社、肥満治療に向けた新技術の特許取得
米国のライフサイエンス企業、BioRestorative Therapies, Inc.(以下、BioRestorative社)は、2023年10月17日に肥満や代謝障害の治療に向けた幹細胞生成法に関する特許を日本で取得しました。この特許は、同社が開発している細胞療法「ThermoStem®」に関連するもので、これにより非胚性ヒト褐色脂肪由来幹細胞を分離し、機能的なヒト褐色脂肪細胞に分化させる手法が認められました。
新技術の臨床応用の可能性
取得した特許は、褐色脂肪細胞の代謝活動を変化させる化合物を特定する方法にも関連しており、これにより糖尿病や高血圧、心不全を含む多くの代謝疾患に対する新たな治療法が期待されています。BioRestorative社はすでに2015年には米国、2017年にはオーストラリアで同様の特許を取得しており、今回が3カ国目の取得となります。
CEOのマーク・ワインレブは「今回の特許取得は当社の進展において重要なステップであり、関係する知的財産の保護が強化されることで、今後の臨床試験が加速される」と述べました。この発言からも、同社の技術がもたらす可能性が強調されています。
ThermoStem®の特徴とは
ThermoStem®は、褐色脂肪細胞由来の幹細胞を用いて肥満や代謝障害を治療するための同種異系細胞療法です。褐色脂肪組織(BAT)は特異な代謝特性を持ち、エネルギー消費や体温調節に寄与する重要な役割を果たします。しかし、成人では限られた量しか存在せず、その量と肥満・代謝異常には逆相関の関係があることが知られています。この技術は、BATの活性を高めることで体重管理や血糖値の改善を実現することを目指しています。
期待される効果と今後の展望
生物工学を駆使してBATの量を増加させることで、高脂肪食による体重増加の抑制や、血糖値の改善といった効果が期待されています。また、BioRestorative社は、ヒトの褐色脂肪細胞を効率的に生成する手法も進めており、すでに小動物を用いた研究では、体重管理に成功したデータも報告されています。これにより、同社の技術はいよいよ実用化に向けた大きな一歩を踏み出すことになるでしょう。
パートナーシップの可能性
さらに、BioRestorative社は日本の製薬産業やバイオ産業との戦略的な連携を模索しており、これにより技術の臨床応用が加速することが期待されます。新たなパートナーシップの形成により、治療法の実用化が進むことが望まれます。
この特許取得は、医療の未来に新たな選択肢を提供する大きな前進となるでしょう。特に、糖尿病や高血圧などの現代病に苦しむ多くの人々にとって、幹細胞療法は希望の光となることが期待されています。
BioRestorative社のパイロットプロジェクト
BioRestorative社は、代謝障害を対象とした治療プログラムを推進しており、今後も様々な臨床試験を展開していく予定です。その成果が踏まえられることで、肥満や関連する疾患に対する治療方法としての確立が期待されます。技術の進展とともに、多くの患者に恩恵をもたらす日も近いのではないでしょうか。
会社情報
- 会社名
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BioRestorative Therapies, Inc.
- 住所
- 40 Marcus Drive, Suite One, Melville, NY 11747
- 電話番号
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