イスラム建築美術の全貌を知る『世界のイスラム建築美術 大図鑑』
2025年3月26日、株式会社河出書房新社から発売される『世界のイスラム建築美術 大図鑑』は、世界中のイスラム建築を詳細に紹介した初のヴィジュアル図鑑です。モスクやミナレット(塔)、マドラサなど、イスラム建築の美しさを余すところなく収めた本書は、著者エリック・ブラウグによって手掛けられ、翻訳には鷲見朗子があたります。
著者の背景と本書の特徴
エリック・ブラウグは、オランダで育ち、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院でイスラム美術と建築史の修士号を取得しました。25年のキャリアを持つ彼は、イスラム幾何学デザインの研究に情熱を注ぎ、世界中でワークショップやデザインプロジェクトを手掛けてきました。この豊富な経験が本書にも色濃く反映されています。
本書の主な特徴は、以下の5つにまとめられます:
1.
美しいビジュアル: 約300箇所のイスラム建築とその影響を受けた建築物の写真と解説を収録。
2.
時代・地域別のアプローチ: 紀元7世紀から現在までの建築スタイルを追って、流れを把握。
3.
詳細な写真展開: 色彩豊かな大判写真が、内部や外観の細部をしっかりと見せます。
4.
巻末資料の充実: 詳細な索引や用語解説があり、イスラム建築をより深く理解できる内容。
5.
社会的視点: イスラム建築における女性や慈善寄付の仕組み、ワクフについてのコラムも設置されています。
第1章から第6章までの豊富な内容
本書は、時代や地域による構成がしっかりとした章立てになっており、東地中海、アフリカ、アジア太平洋、ヨーロッパとアメリカにわたる幅広い地域の建築を網羅しています。各章には、著名なイスラム建築をはじめ、他宗教の建物からも影響を受けたものが紹介されています。
例えば、サブリ・モスクは1945年に完成し、カラチで最大級のモスクの一つで、外壁の模様は非常に美しいと評判です。また、シャキ・ハーン宮殿は1797年に創建されたアゼルバイジャンの象徴的な建物で、内装には各国からの優れた装飾品が施されています。
まとめ
『世界のイスラム建築美術 大図鑑』は、イスラム文化や建築に興味がある方だけでなく、世界の建築美術に興味を持つ全ての人にとって、ただ一度の読書でかけがえのない知識や感動を提供してくれる一冊です。
米国での出版以来、すでに高い評価を受けており、視覚的な豊かさと内容の深さにおいて、まさに宝の山といえます。是非、この機会に手に取ってみてください。