デブリ除去衛星ELSA-M
2025-06-04 16:19:42

アストロスケール、英でデブリ除去衛星ELSA-Mの設計審査を完了

アストロスケールがデブリ除去衛星ELSA-Mの設計审査をクリア



株式会社アストロスケールホールディングスの英国子会社、アストロスケール英国が、宇宙デブリ除去を目的とした衛星「ELSA-M」(End-of-Life Services by Astroscale – Multiple)の詳細設計審査(CDR)を成功裏に完了したことが発表されました。これは、持続可能な宇宙環境を目指し、軌道上サービスの一環として行われる重要なミッションです。

ELSA-Mの打ち上げは2026年を予定しており、事故や故障によって役目を終えた人工衛星の除去を行うための機能を持っています。既存の衛星の捕獲や除去を可能にするインターフェイスを備えており、これにより衛星運用終了時の除去を行う世界初のプロジェクトとして位置付けられています。このミッションは、欧州宇宙機関(ESA)とEutelsatが進めるSunriseプログラムによって支援されており、英国宇宙局(UKSA)との共同出資が含まれています。

ミッションの背景



このプロジェクトは、衛星通信を支えるための新技術を開発することを目的としたARTES(Advanced Research in Telecommunications Systems)の一部であり、持続可能な宇宙の実現に向けたスタートを切りました。アストロスケール英国が設計と製造を担当するELSA-Mは、欧州の宇宙産業におけるデブリ除去のリーダーシップを強調し、特にISAM(軌道上サービス・組立・製造)の急成長する領域への貢献が期待されています。

アストロスケール英国の社長、ニック・シェーブ氏は、「この詳細設計審査の完了は、ミッションそのものだけでなく、英国のISAM産業にとっても重要な成果です。衛星の運用が増加する中で、ELSA-Mの技術はデブリ除去における革新となり、未来の循環型宇宙経済を支える基盤となるでしょう」とコメントしています。

英国宇宙庁の支援



英国宇宙庁の通信投資リード、ジョシュア・キング氏もこのミッションの重要性を強調し、持続可能な宇宙を目指す取り組みを支援できることを嬉しく思うと述べました。特にこのCDRの完了は、英国内におけるデブリ除去技術の広告効果をもたらし、新たな時代の幕開けを示すものとされています。

宇宙戦略と未来



さらに、欧州宇宙機関のローラン・ジャファール氏は、宇宙は全人類にとっての共通資源であるため、その持続可能な利用が重要であると述べ、アストロスケールが2024年6月に署名した「ゼロデブリ憲章」について触れました。この憲章は2030年までにデブリゼロを目指すもので、未来の宇宙ビジョンをターゲットとしたものです。

ELSA-Mは、以前のミッションELSA-dを基にさらなる機能を強化し、宇宙デブリ捕獲技術の実証を進めています。また、次なるステップとしてフライトモデルの組み立て、統合、テストを行い、Eutelsat OneWebの衛星とのドッキング実験などが行われる予定です。

このように、アストロスケールはただのデブリ除去作業を超えて、持続可能な宇宙産業を一手にリードする役割を果たしていくことでしょう。宇宙の循環型経済とは、単にデブリを取り除くという行為だけでなく、未来のための持続的な開発へつながる重要な取り組みであるのです。

アストロスケールについて



アストロスケールは、宇宙におけるさまざまなサービスを提供する企業であり、衛星の運用や寿命延長、デブリ除去に関する革新的なソリューションを開発しています。JAXAや米国宇宙軍、ESAなどとの協力を通じて、持続可能な宇宙産業の拡大を目指します。公式ウェブサイトでは、さらなる詳細情報を得ることができます。


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会社情報

会社名
株式会社アストロスケールホールディングス
住所
東京都墨田区錦糸4-17-1ヒューリック錦糸町コラボツリー
電話番号

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