ジョブ型雇用の拡大に見る2024年の企業採用の変化と新卒の展望
2024年8月の調査結果によれば、日本企業におけるジョブ型雇用の導入が加速していることが明らかになりました。これは、2022年に行われた調査との比較を通じて得られたもので、特に新卒採用におけるジョブ型雇用の実施状況が注目を集めています。
ジョブ型雇用の実施状況の変化
この調査では、全国の企業で人事業務に従事している25歳から64歳までの正社員273名を対象に行われました。調査結果は、ジョブ型雇用を「実施したことがある」とする企業の割合が、2022年の41.5%から2024年には54.9%へと増加したことを示しています。また、「過去に実施していた」の割合も大幅に増加し、5.5%から18.6%に達しました。
この結果からは、若者を中心とした労働市場でのスキル重視の傾向が強まっていることが考えられます。特に、事業の成長に対する影響を考慮し、各企業が求めるスキルの明確化が進んでいることが感じられます。
採用人数の増加
さらに、ジョブ型雇用における採用人数は「増えた」と回答した企業が、30.4%から57.7%に増加しました。中でも、「倍以上増えた」と回答した企業も7.8%から14.6%に増えており、この点からもジョブ型雇用の効果が現れていることがわかります。
新卒採用における現状
ただし、新卒採用においてはまだ十分な導入が進んでいないという指摘もあります。調査によると、23.1%の企業が「現在、新卒採用にジョブ型雇用を導入している」と回答しましたが、これは全体の中でみると少数派です。実際、「導入していないが検討している」が31.5%、「導入も検討もしていない」が32.6%にのぼり、新卒採用の場面では依然として従来型の採用方法が主流であることが分かります。
必要な変化の鍵
この現状からも、新卒採用においてジョブ型雇用が主流となるためには、各企業の認識の変化が不可欠です。企業側が新たなスキルを求める一方で、学生もそれに応じた能力開発に努める必要があるでしょう。また、企業が求めるスキルセットの明確化や、ジョブ型雇用への理解を深める努力が求められます。
まとめ
今回の調査結果は、ジョブ型雇用導入の進展を示すと同時に新卒採用の課題を露呈しました。企業がスキルを重視した採用を進める中で、新卒者もそれにマッチした能力を持ち合わせることが求められます。今後、このシステムがさらなる広がりを見せ、人材採用の新たなスタンダードとなることが期待されます。企業は採用試験や研修に利用できるサービス、例えばサイトエンジンが提供するクラウド試験運営システム「ラクテス」を利用して、スキル評価の精度を高めていくことが重要です。
今後もサイトエンジンは企業の採用や育成関連の調査を続けていくことで、動向を把握していく方針です。ジョブ型雇用の進展に注目し、それがどのように人材市場に影響を与えていくのか、今後の動きにも期待が寄せられます。