東亜薬品工業とResilireの連携
株式会社Resilireが提供するサプライチェーンリスク管理クラウド「Resilire(レジリア)」が、東亜薬品工業株式会社に導入されることが決定しました。医薬品業界において安定供給の確立は極めて重要ですが、昨今のサプライチェーンにおける供給リスクが顕在化してきている中、Resilireの役割がますます注目されています。
導入の背景
供給リスクへの対応は、日常的な潜在的リスクの把握・評価から始まり、実際にリスクが顕在化した際の早期対応が求められます。これを解決するために、東亜薬品工業はResilireを導入し、社内のサプライチェーン情報を一元化することで、情報の可視化を図ります。これにより、製品の安定供給体制の強化が期待されています。
常務取締役経営管理本部長の後藤忠応氏は、「Resilireには多くのリスク管理機能が揃っており、効率的に高水準のリスクマネジメントが可能になると感じています。また、社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する上でも重要な役割を果たすことでしょう」と述べています。
サプライチェーンリスク管理が重要な理由
医療用医薬品の供給不安は深刻で、特に2024年10月現在で全体の約2割が供給停止または限定出荷の状態にあります。この背景として、サプライチェーンの複雑化が挙げられます。製薬企業は、製品ラインナップの増加や製造委託の進展、さらには原料の調達先の海外シフトなど、さまざまな要因によりサプライチェーンがグローバル化しています。
この複雑なサプライチェーンを効率的に管理し、リスクを低減することは今日の製薬業界にとって大きな課題です。2025年の通常国会では、薬機法の改正が予定されており、安定供給体制管理責任者の設置が義務付けられる見込みです。このような厳しい規制に対し、企業はどのように対応していくかが問われています。
Resilireの機能とメリット
「Resilire」は、サプライチェーン情報を統合的に管理し、リスクの可視化を実現します。これにより、潜在的なリスクの特定が容易になり、リスク評価を効率的に行うことが可能となります。システムは、サプライチェーンの構造をツリー状に表示する機能があり、リスクが顕在化した際には自動的に通知される仕組みとなっています。
さらに、リスクが顕在化した際に生産影響を自動で調査する機能を搭載しており、迅速な初動対応を実現します。これにより、在庫状況の確認や代替調達先の検討など、迅速な意思決定が可能になるのです。
まとめ
株式会社Resilireは、サプライチェーンリスク管理の重要性を認識し、医薬品業界全体の安定供給体制の構築を支援しています。サプライチェーンの複雑化に対抗するため、Resilireの導入は非常に有意義であり、今後の業界の発展を支える一助となるでしょう。これからの医薬品供給の安定性向上に向けた取り組みから目が離せません。