英治出版が目指す「土着のイノベーション」の未来
英治出版株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高野達成)は、地域に根ざした持続的な変化を記録し、それを次世代に伝えることを目的とした新しいレーベル「土着のイノベーション」を設立しました。このレーベルは、地元の実践や取り組みをアーカイブし、これからの社会における希望となる情報を提供していきます。
新書籍の刊行とその背景
このレーベルの初の書籍として、吉田恵美子氏の著書『想いはこうして紡がれる――「古着を燃やさないまち」を実現した33年の市民活動を通して伝えたいこと』が2024年12月14日に発売されます。この書籍は、福島県いわき市における市民活動の成果を通じて、地域の持続可能な未来に向けた取り組みを伝えています。
吉田氏は、特定非営利活動法人ザ・ピープルの前理事長として、いわき市でのリサイクル活動を推進し、「古着を燃やさないまち」を実現しました。彼女の言葉には、地域の住民が主体となって行動を起こし、社会を変えていく力が込められています。特にいわき市では、主婦たちのボランティアサークルがリサイクル活動を始めてから30年以上が経過し、その結果、古着のリサイクル率は90%近くに達しています。
希望の変容と地域社会のつながり
「土着のイノベーション」レーベルでは、地域特有のシステムや文化に根差した取り組みを取り上げ、具体的な事例を通じてその価値を見出すことを大切にしています。それは、社会変容がどのようにして一人ひとりの気づきから始まり、進展していくのかを示すためです。
地域に密着した活動は一見小さく見えるかもしれませんが、その積み重ねが大きな変化を生み出します。吉田氏のメッセージには、地域をより良くするための一歩を踏み出す大切さが強調されています。
「土着のイノベーション」の大切にしたい五つのこと
本レーベルでは、以下の五つの理念を掲げています:
1.
変容の当事者性 - 生活や暮らしを変えられる実感を届ける。
2.
「私」と社会のつながり - 個々の活動が社会に影響を及ぼすことを理解する。
3.
Place-Basedな視点 - 地域の歴史や特性に根ざしたアプローチを維持する。
4.
ポジティブなレガシー - 数世代にわたる変化のプロセスを残すこと。
5.
インパクトの可視化 - 個々の取り組みから見出される普遍的価値を明らかにする。
メディア横断的な展開と今後の計画
第1弾書籍の刊行を皮切りに、英治出版はメディア横断的な展開を行っていく予定です。地域で巻き起こっている「変化のさざなみ」をキャッチし、様々な角度からその真実を探求することで、読者の日常生活の変容につなげる知恵を編み出していきます。また、2024年に開催される「CIRCULAR DESIGN WEEK 2024 in Taiwan」への参加など、国際的な視野も広げていく意向です。
本レーベルを通じて、地域の取り組みから得られた希望を次代につなげる活動が期待されます。吉田恵美子氏をはじめ、地域の実践者たちが未来に向けて積み上げてきた歩みに多くの人が触れ、多様な視点から考えを深める機会となることでしょう。希望の変容を共有し、次なる一歩を共に考えていきたいものです。