岡山大学病院で新たな小児がん患者支援試験が開始
2024年11月、岡山大学病院が新たに小児・AYA世代のがん患者に向けた医師主導の臨床研究「PARTNER試験」を開始しました。この試験は、国立研究開発法人国立がん研究センターが主導するもので、適応外薬や未承認薬の使用を希望する患者を対象としています。
PARTNER試験の背景
従来、小児およびAYA世代のがん患者は限られた医療機関でのみ治療を受けることが可能でしたが、岡山大学病院が加わることで、地域の患者の選択肢が広がります。これにより、中四国地方や関西地方からのアクセス向上が期待されています。
この試験では、2024年12月時点で、5社から8つの医薬品が提供されており、今後さらに多くの企業の協力を得ることが目標です。患者にかかる負担は最小限で、必要な検査や入院費は保険診療の範囲での負担となります。
医師たちのコメント
岡山大学病院の小児血液・腫瘍内科で助教を務める石田悠志氏は「小児・AYA世代のがんは患者数が少なく、治療薬の開発が遅れています。これを改善するために、私たちは全力を尽くす所存です」と語ります。さらに、病院長の前田嘉信氏は「岡山大学病院はがんゲノム医療の中核拠点として、新薬のアクセスを拡大し、地域の小児がん患者に貢献したい」との意向を表明しています。
これに伴い、同病院では2024年に小児・AYAがん総合センターを設立し、診療科を超えた支援体制を強化する計画です。
小児がん患者に大きな希望を
今後、PARTNER試験を通じてさらに多くの小児・AYA世代の患者が最適な治療を受けられることが期待されます。国立がん研究センターの小児腫瘍科医長、荒川歩氏は「この試験により、患者に必要な薬を近くの医療機関で受けられるようにしたい」と述べています。
岡山大学病院では、地域の患者のニーズに応えるために今後も研究や試験を進め、さらなる医薬品の提供に向けた取り組みを続けていく予定です。新たな取り組みにより、小児・AYA世代のがん治療が革新されることに期待が寄せられています。
*詳細については、
岡山大学病院の公式ウェブサイトをご覧ください。