介護分野での人材育成を目指す新たな試み
日本の介護分野は、今後の人口構造の変化に直面しています。特に2025年には、団塊の世代が全員75歳以上になります。その影響で、介護ニーズが急増することが予想されています。さらに2040年には現役世代が減少し、介護を担う人材が不足する「2040年問題」が現実となります。
厚生労働省のデータによると、2022年には約215万人の介護職員が必要であり、2040年までには約272万人が必要となる見込みです。これに対して、若者に介護職の魅力を伝え、働く意欲を高めることは、将来の人材確保に向けた重要な課題です。
ボードゲームによる新しい介護教育
こうした背景の中、NPO法人Ubdobeが開発した「100歳の同級生」というボードゲームが注目されています。このゲームは、中高生が高齢者になった同級生の困りごとを解決するというストーリー展開。プレイヤー同士が協力し、介護に関する課題を身近に感じながら解決していく仕組みです。これにより、介護の仕事の本質や目的を楽しく学べる機会を提供しています。
千葉県では、このボードゲームを使った授業を大原高校や千種中学校で実施中。授業では、実際の介護職に従事する「千葉県介護の未来案内人」がファシリテーターとして参加。専門的経験を生かし、学生に介護の魅力について伝えています。
実施後の学生の反応
授業の後にはアンケートが行われ、「介護の仕事に興味がある」と回答した学生の割合が、授業前の31.4%から授業後には73.8%に増加しました。学生からは、「ボードゲームを通して楽しく介護について知ることができた」との声や、「介護の大切さを理解できた」という感想も寄せられています。これらのフィードバックは、介護に対するイメージ改善や、より多くの若者がこの職業に興味を持つきっかけになるでしょう。
導入希望の学校を募集中
千葉県ではこれからの年度に向けて、介護をテーマにした訪問授業を希望する中学・高校を募集しています。介護に興味がある学校は、ぜひご相談してみてください。連絡先は健康福祉部 健康福祉指導課 福祉人材確保対策室(電話:043-223-4716、メール:
[email protected])です。
NPO法人Ubdobeについて
NPO法人Ubdobeは、医療や福祉の専門性を生かして、社会的な課題の解決に取り組んでいる団体です。福祉施設でのインターンシップ制度や、各種イベントを企画し、人々の社会参加を促進しています。彼らの活動は、多様な社会問題に対処するための新しいアプローチを提示しています。
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