2026年3月卒業予定の大学生や大学院生の内々定率が2023年5月末時点で80.1%に到達したことが、株式会社学情の調査で明らかになりました。これは過去の採用スケジュールと比べても高い値ですが、前年同時期の81.3%には及ばない結果となりました。仕事内容や企業の選考がより早く進む傾向が続いている一方で、内々定出しのスピードに対する学生の意識や市場の変化も見逃せません。
特に気になるのは、文系と理系の間での内々定率の違いです。文系の内々定率は74.4%で、前年同時期よりも3.8ポイント低下しました。一方、理系は91.7%と、前年比で顕著な伸びを見せています。文系学生は、就職活動の動向が鈍化している状況が影響していると考えられます。文理間の差は、今や17.3ポイントに広がり、就職市場の中での競争のルールが変わりつつあることを示しています。
さらに、就職活動を行っている学生の割合も重要な指標です。5月末における就職活動率は45.3%にとどまり、今年初めて50%を下回りました。この数値が示す通り、多くの学生が内々定を受け取ったことで、就職活動を早期に終えている傾向が見られます。文系学生は54.5%が活動を続けていますが、理系学生は26.7%と、半数にも達していない状況です。
このような動きは、政府が提示した就活ルールの形骸化を示唆しており、学生に対する働きかけや企業の採用方針に見直しが求められるでしょう。さらに、今後の選考プロセスや就活の進行具合に影響を及ぼす要因として、企業側のニーズや市場環境の変化も注視する必要があります。
調査に関しては、2025年5月23日から31日の期間に、株式会社学情が行なったもので、有効回答者数は322人に上ります。このデータを基に、企業が学生の就活をどのように支援し、また学生が自らのキャリアをどのように考えるべきか、さまざまな視点からの議論が必要とされています。
また、現在大きな注目を集めているのは、株式会社学情が提供する「Re就活キャンパス」(旧あさがくナビ)です。これは、学生のニーズに応える形でリニューアルされ、全年齢層を対象とした採用サービスとして展開されています。今後も学生が自分のキャリアを実現するために、様々な選択肢が用意されることでしょう。