TalentXが語る採用市場の2025年振り返りと2026年の新たな動向
株式会社TalentXは、日本の採用市場に関する2025年の総括と2026年のトレンド予測を発表しました。この報告は、今後の採用戦略に欠かせない情報が盛りだくさんです。以下、その概要を詳しく見ていきましょう。
2025年の採用市場の振り返り
2025年は、従来の採用手法の効果が大きく減少した年でした。TalentXの調査によると、採用の目的が短期的な人材獲得から、中長期的な候補者との関係構築へとシフトしていることが明らかになりました。ここでは、いくつかの重要なポイントを挙げてみます。
1. 採用への危機感の共有
2025年は、採用の難しさが経営陣と現場での共通認識として強まった年でした。調査によれば、採用難が企業戦略に与えるリスクを「大幅に高まった」と感じる企業の割合は42.9%に達しており、これは3年前から顕著な増加を示しています。また、求人広告や人材紹介を利用した採用成果が低下したと感じている企業は37.0%に上りました。このデータは、採用難がただの運の問題ではなく、戦略的なアプローチを求められる現象であることを示しています。
2. 新たな採用手法の必要性
従来の採用手法に対する限界が明らかになる中、新たなアプローチがニーズとなっています。調査では、87.2%の企業が「求人広告・人材紹介以外の新たな採用手法が必要」と回答しており、リファラル採用やアルムナイ施策、タレントプール施策の導入が進んでいます。これにより、採用活動は「応募者をその場で奪う」戦略から「未来の候補者との関係を育む」活動へと移行していることが分かります。
3. 採用担当者への負担
採用活動のオペレーションが複雑化し、負担が増している現状も見逃せません。採用領域で人員不足を感じる企業は83.1%に達し、66.7%の企業が採用コストを「高い」と認識しています。採用活動が仕組みとして確立されている企業はわずか4.6%に過ぎないため、担当者の個人の努力だけでは限界が見えてきていると言えます。
4. AIとテクノロジーの重要性
採用の持続を図るためには、テクノロジーの活用が欠かせない要素となっています。調査では、85.9%の担当者が「AIやテクノロジーの利用が重要」と回答しており、実際にタレントプールやMAサービスへの投資が徐々に増加しています。AIは採用の新たな武器として、ただの手段から「前提条件」として位置づけられるようになってきたのです。
2026年の採用市場トレンド予測
TalentXの調査に基づくと、2026年の採用市場では、人的資本経営が進むにつれ、採用は経営戦略の一環として強化されると予測されています。単なる欠員補充ではなく、企業価値を向上させるための投資としての位置づけがされる見込みです。
1. 採用の戦略性
企業の採用活動は、どのスキルを持つ人材を獲得するのか、そのタイミングを如何に調整するのかという、戦略的な視点で考えられることが求められます。これに伴い、個別化された採用プロセスが重要視され、マーケティングへの視点が強まるでしょう。
2. AIの果たす役割
採用の複雑性が増す中、AIは業務効率化だけでなく、戦略的な優先順位決定やリソース配分の最適化にも寄与する可能性があります。AIを駆使することで、データとKPIに基づいた意思決定が進むことでしょう。
代表取締役社長CEO 鈴木貴史のコメント
鈴木社長は「2025年は多くの企業にとって採用の在り方を見直す大きな転換点となった。当社はこの変化を技術でサポートし、企業が『関係性資産』を築く未来を共に切り拓いていく」と述べています。これは日本企業が採用に対する視点を大きくシフトし、ポジティブな変化を迎えている証です。
株式会社TalentXについて
TalentXは、リファラル採用プラットフォーム「MyRefer」を基点に、AIを活用した採用マーケティング「MyTalent」や採用ブランディングの「MyBrand」など、様々なサービスを展開しています。戦略的な人事対応を支援し、企業が持つ人と組織の潜在能力を最大限に引き出すための取り組みを進めています。
最終的に、TalentXはテクノロジーと戦略を結びつけることで、日本企業の採用を革新し、未来のビジネスを支える人材戦略を形作ることを目指しています。