若者を支える自殺予防の新たな挑戦
日本において、15歳から39歳の若者の死因として自殺が最も多いことは、深刻な社会問題の一つです。2024年には小中高生の自殺者数が529人に達し、これは1980年からの記録の中でも最も多い数字となりました。これを受けて、NPO法人Light Ring.は「悩んでいる人のそばにいる子ども・若者」をテーマに掲げ、若者が若者を支える新たな支援の形を展開しています。
支え手の力を育む
Light Ring.は、自殺予防の活動を10年以上にわたり継続しており、これまでに延べ32,800人(主に10〜30代)が参加しています。他の世代と比べて、同世代の若者だからこそ感じ取れる変化や違和感に向き合い、寄り添うことができるサポートを学ぶことがこの取り組みの核となっています。
「支える力は大人や専門家だけのものではない」という基本的な姿勢から生まれたこの取り組みは、同年代の友人や同級生が支え手としての役割を担うことで、日常の中に自然な支援の文化を根付かせています。これにより成長した支え手たちは、「相談窓口」や「医療機関」への橋渡し役としても活躍し、孤立の連鎖を断ち切る力を発揮しています。
若者の孤立感とその対策
内閣官房の全国調査によると、10代から20代の若者の約3人に1人が「相談できる人がいない」と感じています。SNSの普及や人間関係の希薄化が若者の孤立感を増幅させ、自殺の背景にも影響を及ぼしています。Light Ring.の取り組みは、これに対する非常に重要な解決策となっています。若者同士のつながりと支援が、問題解決の鍵となるのです。
安心して声をかけられる社会の実現
ライトリングの次のステップは、自治体や教育機関、民間企業との協力を強化し、支え手支援をさらに広げることです。「支援は特別な誰かのものではなく、日常の中に存在する」という文化の確立を目指します。それによって、誰もが自ら声をかけやすく、支え合える社会を実現できるのです。
「あなたのそばにも、悩んでいる人がいるかもしれません。」この気づきと行動が命をつなぎ、支える力になります。Light Ring.は今後も、若者のつながりを大切にしながら、支援の仕組みを社会全体に広げていく意向です。
自殺予防週間イベントの開催
さらに、Light Ring.は自殺予防週間(9月10日〜16日)に合わせて公開イベントを行います。支え手が力を高められる実践的な学びと交流の場を提供するこのイベントは、若者同士の支え合いをさらに深化させることを目的としています。セミナーではゲートキーパーの実践的な悩みを解決するためのセッションが用意されています。
イベント詳細
- - 日時:2025年9月13日(土)14:00〜15:30
- - 会場:Light Ring.オフィス(東京都・半蔵門)+オンライン(ハイブリッド形式)
- - 当日は取材・撮影も可能です。
お問い合わせ
特定非営利活動法人Light Ring.代表理事石井綾華
公式サイトの連絡先
自殺、孤独・孤立、心の病といった問題に特化した取り組みを通じて、Light Ring.は若者を支える力を信じ、この大きな課題に敢然と立ち向かう姿勢を示しています。