次世代舗装の誕生
2024-09-18 15:50:27

住友大阪セメント、次世代半たわみ性舗装を開発しCO2削減に成功

住友大阪セメントが挑む次世代半たわみ性舗装の開発



住友大阪セメント株式会社が、CO2を資源化した新しい「次世代低炭素型半たわみ性舗装」を開発し、実用レベルでの試験施工に成功しました。この技術は、NEDOのグリーンイノベーション基金事業の一部として推進され、CO2排出の大幅な削減と同時に炭素除去を実現しようとしています。

背景


住友大阪セメントは2021年度から、二酸化炭素を含む廃棄物と工場排ガスからのCO2を利用した人工石灰石の生成を目指し、グリーンイノベーション基金の一環で二つの技術開発に取り組んできました。一つは「炭酸塩化技術開発」で、もう一つは「炭酸塩利用技術開発」です。

この取り組みでは、カルシウム源として再利用可能な廃棄物を使用し、二酸化炭素の固定化を実現。特に、CO2固定化ポテンシャルの高いカルシウムを用いたセメントの製造が期待されています。

革新的な成果


住友大阪セメントは、今回開発した次世代舗装において、これまでの半たわみ性舗装と比較して約58%ものCO2排出量を削減しました。具体的には、カーボンリサイクルセメントと人工石灰石を用い、舗装構造物の材料に工夫を凝らしました。

この新しい舗装は、特に交差点やバスターミナルなど、車両が頻繁に停止・発進する場所に最適化されています。アスファルト空隙に浸透するセメントミルクを使用することで、二酸化炭素を効果的に固定化し、優れた塑性変形抵抗性を持っています。

さらに、本製品は急速に炭酸化反応を促進する「ネガティブエミッション技術(NETs)」を実装。これにより、大気中のCO2を効率的に吸収固定できるように設計されています。

今後の展開


今後は、公共・民間を合わせた施工面積が年間約50万m²以上になることが予想され、全てが本製品に置き換わった場合、年間約2000t以上のCO2削減効果が期待されています。加えて、人工石灰石を使用することで、さらに削減効果を高めていく方針です。

住友大阪セメントは、温室効果ガスの排出量削減に向け、影響力のある技術を提供し続け、2050年のカーボンニュートラル社会実現に寄与していくことを目指します。パートナーである株式会社NIPPOとともに、実際の施工現場での長期的なデータ収集と分析を行い、安全性や耐久性を確保しつつ、さらに高性能な舗装技術の開発を進めていきます。

この新たな取り組みにより、持続可能な社会の実現に一歩近づくことが期待されています。


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会社情報

会社名
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
住所
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番ミューザ川崎セントラルタワー
電話番号
044-520-5207

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