愛知県で進化するプラスチック資源循環型スキーム
愛知県の中部国際空港(セントレア)で、新たな取り組みが始まっています。それは、全日本空輸(ANA)と連携し、プラスチックを廃棄物として処理せず、資源として循環させる「プラスチックフィルムの資源循環型スキーム」です。このプロジェクトでは、プラスチックを効率的に再利用し、持続可能な社会を築くことを目指します。
あいちサーキュラーエコノミー推進プロジェクトの背景
このプロジェクトは、「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」(2022年3月に策定)に基づいています。プランの目的は、プラスチックなどの資源を循環させるモデルを具体化し、再生原料化を促進することです。この計画は、2022年度から2031年度の10年間を見据えており、サーキュラーエコノミーへの移行を図り、地域経済と環境の両立を目指しています。
プロジェクトがスタートしたのは2023年1月31日。7つのプロジェクトチームが立ち上がり、その中で「プラスチック循環利用プロジェクトチーム」が活動を進めています。現在、68の事業者がこの取り組みに参画しており、大和エネルフ株式会社が重要な役割を果たしています。
スキームの概要
このプラスチック資源循環型スキームの具体的な流れは以下の通りです:
1.
ANAによる回収: ANAが、貨物を梱包した後に出るストレッチフィルムを回収します。
2.
大和エネルフの役割: 大和エネルフは、ANAからこのフィルムを回収し、中部国際空港内で三陽化学株式会社に搬入します。
3.
リサイクルプロセス: 三陽化学が回収したフィルムを圧縮し、ペレットとして再生します。
4.
最終製品化: 愛知プラスチック株式会社がこれをゴミ袋に再生し、セントレアで使用します。
5.
循環の実現: セントレアは、新たに作られたゴミ袋を購入し、ターミナルビル内に設置します。
この一連の流れにより、年間約20トンのプラスチックゴミがリサイクルされ、廃棄されることがなくなる見込みです。これにより、空港内での資源の循環が実現します。
未来に向けた展望
今後も、愛知県のこの取り組みは続きます。プラスチック資源の再生を進め、地域経済の持続可能な発展を目指し、さらなる貢献を果たしていくことが期待されます。
企業情報
プロジェクトを支える大和エネルフ株式会社は、1973年11月に設立され、愛知県春日井市に本社を構えています。廃棄物の収集や運搬、また自社工場での再資源化製品の製造を行っており、ISO14001も取得している優良産廃処理業者です。
また、J-CIRCULARS株式会社も同じく愛知県春日井市にあり、2021年に設立されました。中部地区で産業廃棄物の収集・運搬を手掛け、廃棄物に関する企業経営の課題解決を目指しています。
下別府正樹代表が先導するこれらの企業は、資源をリユースし、持続可能な未来の実現に向けて邁進しています。 さらなる情報は、それぞれの公式サイトにてご確認ください。