視覚障害者への声かけの重要性を考える意識調査の結果とは
公益財団法人日本盲導犬協会が実施した意識調査によって、視覚障害者への声かけについての社会的な認識が示されました。この調査は全国の幅広い市民を対象に行われ、視覚障害者とそのサポートに対する理解度を探る重要なデータを収集しました。
この調査では、視覚障害者への声かけに対し、半数以上の人が「ためらい」を感じていることが明らかになりました。多くの回答者は、声をかける際に「迷惑をかけてしまうかもしれない」という不安を抱えていると感じていることが分かりました。こうした心理的な抵抗感がありながらも、視覚障害者へのサポート意識は高いというギャップが浮かび上がりました。
調査の概要
この意識調査は2023年8月に実施され、16歳から69歳の男女1,200人を対象に行われました。調査内容は、視覚障害に関する知識やイメージ、そして身体障害者補助犬法の認知度など、多岐にわたります。結果的に、視覚障害者が困っている場面に出くわした際、サポートしたいと感じる回答者は75.8%にも達しましたが、実際に声をかけることができた人はわずか15.1%でした。この結果は、声かけへの心理的な壁を示しています。
盲導犬ユーザーへのインタビュー
さらなる理解を深めるべく、盲導犬ユーザーへのインタビューを実施しました。彼らは、実際にどのように声をかけてもらうことが有意義であるのか、また、声かけがどれほど大切かを語りました。盲導犬ユーザーである若山さんは、他の皆さんから声をかけてもらえることで安全を守られていると感じているとのこと。特に、危ない目に遭いそうになった際に「危ないですよ」と声をかけられた経験をシェアし、「そうした声かけが自分の安全を守る助けになる」と熱く語りました。
同じく、石川さんも声援の重要性を強調しました。彼女は、知らない場所で道に迷ったときや信号の変化を把握できないとき、その声がけによってどれほど安心感や情報を得ることができるかを実感していると述べています。
声をかけることに対する心理的な壁を乗り越えよう
調査結果から、視覚障害者への声かけが必要だと感じた方が80.6%であった一方、実際に行動に移せていないことが浮き彫りとなりました。これは心理的な障壁が大いに影響していることを示していますが、傍観しているだけでは何も解決しません。
若山さんは、「何かお手伝いしましょうか」と具体的に声をかけてもらえることが助けになると語り、声をかける側も不安な気持ちを持たずに接してほしいと願っています。また、「声をかけることに戸惑っている方々には、自分たちの存在を知ってほしい」とも述べています。
まとめ
この調査とインタビューを通じて、視覚障害者への声かけは単なるサポート行為ではなく、社会とのつながりや安心感を生む重要な行動であることが分かりました。私たち一人ひとりが、視覚障害者への声かけの必要性を理解し、実行することで、より良い社会の構築に寄与できるのではないでしょうか。
最後に、視覚障害者が安心して暮らせる社会を目指すべく、日本盲導犬協会の公式YouTubeチャンネルには、具体的な声かけや誘導方法を解説した動画が公開されていますので、ぜひご覧ください。
視覚障害者への声かけ方法
盲導犬ユーザーの誘導方法