自動充電ポート付きドローンによる変電所の新しい点検方法
概要
四国電力送配電株式会社が設備管理する讃岐変電所において、最新の自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」を用いた自動巡視点検が実証されました。この取り組みは、変電所の設備管理における効率化と作業員の負担軽減を目的としたものであり、広大な施設内での複雑な状況下においても、ドローンが安定した自動飛行で点検を行えることが確認されました。
自動飛行の検証
実証期間は2025年の9月30日から10月2日までの3日間でした。讃岐変電所の複雑な構造に適した飛行ルートを設定し、自動飛行の性能がテストされました。また、各種変電設備の撮影も行われ、変圧器や遮断器といった重要な設備の状態を自動で確認することができるという成果が得られました。特に、ドローンが集合制御箱やガス圧計といった計器の撮影も行える点は、巡視点検の品質を大きく向上させる要因となります。
従来の課題
変電所の巡視や点検業務は従来、多大な時間と工数を要するため、作業員の負担が非常に大きいものでした。これにより、業務効率の向上が急務となっていました。自動充電ポート付きドローンを活用することで、自動巡視点検を遠隔から実施する手法が提案され、実際に効果が検証されることで、これまでにない業務改革が期待されています。
技術の革新
本実証で得られた結果をもとに、KDDIスマートドローンと四国電力送配電は、今後も変電所の巡視・点検業務のさらなる効率化を目指して活動を続けます。また、ドローンポートを活用した「遠隔運航サービス」により、ドローンの飛行からデータ解析までを包括的に委託できるサービスが提供されており、業務の手間を大幅に削減することが可能になっています。
今後の展開
このサービスは2023年7月から運用が開始され、約7,400回以上の飛行実績を有し、特に建設現場での進捗管理にも利用されています。KDDIスマートドローンは、このニーズに応じた新たなサービスを提供し、業務の効率化を図るだけでなく、現場でのリスクを大幅に減少させることを目指しています。このように、自動ドローンの導入は変電所業務に留まらず、さまざまな分野での業務改革に貢献することが期待されています。